NY外為:ドルが対円で7年ぶり高値、日米の金融政策に違い

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19日のニューヨーク外国為替市場で はドルが対円で7年ぶり高値に上昇。米連邦準備制度理事会(FRB) が公表した連邦公開市場委員会(FOMC、10月28-29日開催)の議事 録からは米国が利上げ方向に動いていることが示唆されたのに対し、日 本は緩和政策を進めている。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時上げ幅を縮小した。議 事録では、多くの政策当局者が国民のインフレ期待低下の兆候に警戒す べきだとの認識を示したことが明らかになった。円は主要31通貨の大半 に対して下げた。日本銀行は金融政策決定会合で緩和的な金融政策の現 状維持を決めた。安倍晋三首相は21日に衆院を解散する方針を表明して いる。

BNPパリバの北米為替戦略責任者、ダニエル・カッツァイブ氏は 「FOMC議事録が市場の流れを変えるとは考えていない」と述べ、 「経済統計の内容は来年上半期の利上げが十分に可能であることを示唆 している」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で1%上昇して1ドル =117円97銭。一時は118円08銭と、2007年8月以来の高値をつけた。円 は対ユーロで1.1%安の1ユーロ=148円09銭。ユーロは対ドルで0.1% 上昇して1ユーロ=1.2554ドル。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇して1098 と、2009年4月以来の最高だった。

英ポンドは対ドルで0.3%上昇。同国中銀の議事録によると、多数 派の一部が物価上昇圧力が高まる可能性について懸念を表明し始めたこ とが明らかになった。

みずほ銀行のヘッジファンドセールス責任者、ニール・ジョーンズ 氏(ロンドン在勤)は「投資家は英中銀の議事録を受けて、ポンドのシ ョートポジションを縮小させている」と述べ、「よりハト派的なものに なるとの予測があった」と続けた。

日銀は金融政策決定会合で政策方針の現状維持を決め、マネタリー ベースが「年間約80兆円」に相当するペースで増えるよう金融市場調節 を行う方針を維持した。黒田東彦総裁はイールドカーブ全体に押し下げ 圧力加える効果上げていると述べた。

黒田総裁の発言

黒田総裁はまた消費者物価(CPI)の上昇率が1%を割る可能性 を示した。日本の7-9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は2四 半期連続のマイナス成長となった。

みずほフィナンシャルグループの為替セールス担当ファビアン・エ リアソン氏(ニューヨーク在勤)は、「すべてが円の一段安を示してい る」と指摘。「日銀の政策担当者は追加緩和を提案する姿勢を固めてい る。選挙結果に大きく左右されるだろう。日銀は緩和策を続けるだけの 支援材料を得るだろう」と続けた。

FOMC議事録では、「多くの参加者は、FOMCは中長期のイン フレ期待が下降方向にシフトする可能性があることを示す兆候に引き続 き注意を払うべきだと表明した」とし、「幾人かは、実際そうした事態 が起きれば、経済成長が腰折れした場合に一層憂慮すべき状況になると 指摘した」と加えた。

原題:Dollar Climbs to Seven-Year High Versus Yen on Policy Divergence(抜粋)

--取材協力:Daisuke Sakai、Netty Ismail、Anchalee Worrachate、Mariko Ishikawa、Lucy Meakin、Andrea Wong.

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