TOPIXが続伸、アベノミクス期待で証券堅調-過熱感重し

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東京株式相場は、TOPIXが小幅 に続伸した。衆院解散・総選挙後の安倍政権の安定化と政策推進期待か ら証券や建設株が上昇。為替の円安推移、欧米景況感の改善もあり、自 動車やゴム製品など輸出関連株の一角も堅調だった。

半面、テクニカル指標から見た過熱感は残り、消費税増税の先送り 観測が強まった先週以降に急伸していた小売、水産、倉庫など内需関連 株の一部は軟調。転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行が嫌気さ れたテルモの下げが響き、精密機器株も安い。

TOPIXの終値は前日比1.66ポイント(0.1%)高の1396.54。日 経平均株価は55円31銭(0.3%)安の1万7288円75銭と反落した。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「株式市場の強弱観が 対立している。選挙で自民党が勝利し、補正予算などの景気対策が行わ れるだろうとの見方と、選挙は結果を見るまで分からないとの見方があ る」と言う。足元の株価水準が高くなり、選挙の行方に関する判断材料 に乏しい中では「無理に売買する必要はない」と話していた。

安倍晋三首相は18日夜に会見、2015年10月からの消費税再増税を17 年4月まで1年半延期し、21日に衆院を解散する方針を表明した。衆院 選は12月2日公示-14日投開票となる見通し。消費税増税延期に関する 法案、経済対策のための補正予算案を年明けの通常国会に提出する方針 も明らかにした。

「『アベノミクス』の2年間の成果は株価の上昇など数字が物語っ ている。マーケットでは与党が過半数を獲得するだろうとの見方が多 い」と、SMBC日興証券株式調査部の西広市部長。このため、選挙後 の成長戦略や規制緩和の断行、法人税減税や給与上昇の方向性に対する 期待感が市場にあると話す。共同通信が19日午前に報じたところ、榊原 定征経団連会長はこの日開かれた政労使会議後に記者団に対し、「来年 春の賃上げが必要と認識している」と述べた。

首相表明後も円安基調は持続し、きょうのドル・円相場は一時1ド ル=117円42銭と、7年ぶりのドル高・円安水準を更新した。前日の東 京株式市場の終値時点は116円60銭。欧米経済統計の堅調も円安要因 で、全米ホームビルダー協会とウェルズ・ファーゴが18日に発表した11 月の米住宅市場指数は58と、05年以降で2番目に高い水準に並び、ドイ ツの欧州経済研究センター(ZEW)による11月の期待指数はプラ ス11.5と、前月のマイナス3.6から大きく改善した。

解散大義、選挙後の求心力に疑問も

もっとも、日経平均はプラスを維持できず、東証1部は値下がり銘 柄の方が多かった。前日の大幅反発で投資家の短期売買コストを示す25 日移動平均線からの上方乖離(かいり)は、日経平均で6.4%から8.1% へ再上昇。5%を超すと目先過熱、10%で天井圏を示すとされる。「日 本株の短期的な過熱感は残っている。日経平均1万7500円はオプション からみて売り方の抵抗力も強い」と、SMBC日興証の西氏は言う。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフストラテジスト、芳 賀沼千里氏は「消費増税延期は日本株にプラス要因」とした一方、「衆 院選の評価は難しい」との見解だ。消費増税延期には民主党も支持に転 じ、「今回の総選挙に大義名分を見出せない国民は少なくない。総選挙 で自民・公明両党が過半数を維持しても、仮に議席数を減らす場合、安 倍政権の求心力が高まるとは限らない」と指摘する。

一方、日本銀行はこの日開いた金融政策決定会合で、政策方針の現 状維持を8対1の賛成多数で決めた。事前調査でも全員が現状維持を予 想していた。足元の景気については、「基調的には緩やかな回復を続け ている」との情勢判断を維持。先行きも緩やかな回復基調を続けるとの 見通しを継続した。

東証1部33業種は保険、証券・商品先物取引、空運、ゴム製品、建 設、海運、不動産、電気・ガス、食料品、ガラス・土石製品など19業種 が上昇。精密、小売、水産・農林、鉱業、倉庫・運輸、情報・通信、パ ルプ・紙など14業種は安い。

売買代金上位ではケネディクスや東京電力、マツダ、野村ホールデ ィングス、セイコーエプソン、三菱化工機、サクサホールディングス、 大成建設が上昇。利益と配当計画を増額し、自社株買いも行う東京海上 ホールディングスは午後に急伸した。ソフトバンクやソニー、アイフ ル、セブン&アイ・ホールディングス、イオン、日揮は下げた。東証1 部の売買高は27億6657万株、売買代金は2兆5939億円。値上がり銘柄数 は689、値下がりは1010。

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