安倍首相:午後7時10分から記者会見、消費増税・解散で詰め

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安倍晋三首相は2015年10月の消費税 率10%への増税延期と衆院解散について大詰めの調整をする。解散の場 合の衆院選は12月2日公示-14日投開票となる見通し。首相は18日午後 7時10分から記者会見し、当面の政治課題について見解を示す。政府は 円安対応を含めた経済対策の策定にも着手する見通し。

消費増税延期は、首相の経済政策のブレーンである本田悦朗内閣官 房参与や自民党の山本幸三衆院議員らが主張してきた。両氏は17年4月 までの1年半延期を求めており、複数の自民党議員は先週、増税を先送 りするならこの案を採用するとの見方を明らかにしている。

山本氏は18日午後、首相と面会。同氏によると、首相は「今晩中」 にも消費増税の是非について判断したいと発言した。NHKは18日朝の ニュースで、記者会見では消費税増税を1年半延期し、衆院を解散する 考えを表明すると報じた。

安倍首相は17日夜、東京都内のホテルで開かれた公明党の結党50年 記念感謝の集いであいさつし、デフレから脱却できる「チャンス」を 「手放すわけにはいかない」と指摘。消費増税について「冷静に分析し 判断したい」と述べた。

上智大学の中野晃一教授は、安倍首相は消費増税という不人気な政 策を棚上げすることで有権者の支持を得られると判断して衆院選を行お うとしているようだとの見方を示した。

マイナス成長

内閣府が17日発表した7-9月実質国内総生産(GDP)の速報値 は年率換算で1.6%減と2期連続のマイナス成長となった。市場予想 は2.2%のプラス成長だった。自民党内からはこれを受けて首相が増税 延期を決断するとの声が出た。首相自身も公明党の会合で、GDP速報 値について「残念ながらいい数字ではない」と語った。

自民党の山本氏は18日、自身か会長を務める有志議員のグループ 「アベノミクスを成功させる会」の会合で、GDP速報値は「大変ショ ッキングな数字だった。やはり消費税3%増税の破壊力のすごさをあら ためて感じた。そういう意味では来年10月の予定通りの増税はあり得な い、論外であるし、われわれが主張してきたように1年半延ばすという のが妥当」と述べた。

甘利明経済再生相は18日午前、閣議後の記者会見で、増税を延期す る場合は「時期を明示することは必要。総理の判断も、仮に延期する場 合に、いつやるか分からないという延期の仕方はされないだろうと推測 する」と語った。

民主党

消費税増税は民主党政権時代の2012年、民主、自民、公明の3党が 合意。5%だった税率を14年4月から8%、15年10月から10%に段階的 に増税する計画だった。

民主党の海江田万里代表は17日の記者会見で、「消費がこれだけ落 ち込んでいる状況では来年の10月から消費税を上げる環境にない」と言 明。19日に開く党の「次の内閣」でこうした方針を正式決定するとい う。維新、みんな、生活など他の野党も増税凍結を求めていることか ら、消費増税延期で「国民の信を問う大義名分はない」と語った。

自民党の選挙対策に詳しい関係者2人は先週、衆院選は「12月2日 公示-14日投開票」の方向で調整していることを明らかにしている。

経済対策

早期の衆院解散をにらみ、自民党は14日、政務調査会の会議を開 き、選挙で掲げる政権公約と経済対策の取りまとめに着手している。稲 田朋美政調会長は同日付の文書で円安やエネルギー価格高騰対策などで 具体的な施策を提案するよう各部会長に指示した。

塩谷立政調会長代行は同日、記者団に対し、政府も18日に経済対策 の策定作業に着手するとの見通しを明らかにしている。

伊藤元重東大大学院教授ら経済財政諮問会議の民間議員は4日の会 合で、今後の経済対策について「子育て・就業支援等のサービス給付や 商品券等の発行といった家計に直接働きかけ、即効性を持つ施策を中心 に講じるべき」と提案する文書を提出している。

--取材協力:広川高史、アンディ・シャープ.

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