米国債:下落、鉱工業生産指数低下も利上げ観測後退せず

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米国債相場は3営業日ぶりに下 落。10月の鉱工業生産指数が予想外に低下したものの、来年の利上げ観 測は後退しなかった。

日本の7-9月期の実質国内総生産(GDP)速報値が前期比年率 で1.6%減少と伝わると、10年債利回りは1週間ぶりの低水準を付ける 場面もあった。米鉱工業生産指数は0.1%低下した。米連邦準備制度理 事会(FRB)のパウエル理事は、金融当局が来年利上げに踏み切ると 予想した上で、正確なタイミングは景気回復の動向次第になると付け加 えた。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券トレーディング責任 者、デービッド・コード氏は「米経済は順調に成長しており、貿易相手 国の大半よりもペースは速い」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前営業日比2ベーシスポイント(bp、 1bp =0.01%)上昇の2.34%。一時は2.28%と、10日以来の低水準 になる場面もあった。同年債(表面利率2.5%、2024年11月償還)価格 は5/32下げて99 6/32。

パウエル理事は17日の経済専門局CNBCとのインタビューで、 「雇用創出の点で言えば、今年は1999年以降で最高の年となりそうだ」 とし、「2015年中、恐らく15年半ばに利上げするのは理にかなってい る」と述べた。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「2015年の利上げに違和感がなくなりつつある」と 述べた。

19日にFOMC議事録

米連邦公開市場委員会(FOMC)は10月28、29両日開催した定例 会合後の声明で、資産購入プログラムの終了後も事実上のゼロ金利政策 を「相当な期間」維持する方針をあらためて示した。この会合の議事録 は今月19日に公表される。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏(ニ ューヨーク在勤)は「今週の注目はFOMC議事録だ」と指摘。 「FOMCからのメッセージはあいまいで分かりにくい内容になる可能 性が依然高い」とし、10年債利回りは2.20-2.40%のレンジで推移する と予想した。

日本のGDP速報値が2四半期連続のマイナス成長となり、安全な 資産としての米国債の需要が強まった。

ドラギ総裁

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、見通しが悪化した場合に ECBが取り得る行動の一つとして国債購入を明示的に挙げた。

総裁は17日、欧州議会で証言。「他の非伝統的措置にはさまざまな 資産の購入が含まれる可能性があり、その一つは国債だ」と明言した。

TDセキュリティーズUSAのジェナディ・ゴールドバーグ氏(ニ ューヨーク在勤)は「世界経済が成長の勢いを保てるのかどうかという 問題が続いており、不透明感は引き続き強く、国債の強気筋にとっては 追い風が続く可能性が高い」と語った。

原題:Treasuries Fall as Production Drop Seen Leaving Fed Undeterred(抜粋)

--取材協力:Susanne Walker.

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