東レ:米ボーイングと炭素繊維複合材で共同開発

炭素繊維シェア世界首位の東レは17 日、米ボーイングと炭素繊維複合材の次世代航空機への利用促進に向け て、共同開発に取り組むと発表した。ボーイングが素材メーカーと共同 開発を行うのは異例で、東レの技術力を評価した結果だ。

東レの日覺昭廣社長は17日の会見で「炭素繊維の航空宇宙用途への 適用促進のためボーイングと共同開発を行う」と述べた。複合材の使用 比率を高め、金属と競合できるコスト構造にする研究になるという。具 体的な分野は今後ボーイングと調整するが、素材にとどまらず新型機へ の部品供給まで見据えて研究を進める。

東レはこの日、航空機向け炭素繊維をボーイングに1兆円分を超え る規模で供給することでも基本合意したと発表した。現在開発中の大型 旅客機777Xと、現行の中型機787に、10年以上にわたり供給する 契約の年内締結に向け交渉を始めた。

日覺社長は、次期大型機777Xのパートナーに選ばれたことは 「揺るぎない信頼関係を培ってきた結果」と述べ、今後もボーイングの 増産計画に合わせ、「供給体制を拡充する」と語った。また、世界的な 技術競争においては、他社に追い付かれる懸念はあるが、「さらに高性 能な開発をして引き離す」と強調した。

会見に同席したボーイングの最高技術責任者、ジョン・トレーシー 氏は、777Xの炭素繊維複合材比率が25%になるとの見通しを示し た。その上で、東レの複合材料の技術精度は卓越したものがあると指 摘、「複合材供給市場のリーダー的地位にある」と評価した。

炭素繊維は鉄より10倍の強度を有するが、重さは鉄の4分の1。既 に航空機や自動車などの部材では利用されているが今後一段の活用が見 込まれる。東レはさらに、2020年度までに計1000億円を投じ、米サウス カロライナ州に総敷地面積160万平方メートルの工場を建設、炭素繊維 の原糸から複合材までを一貫生産する方針も併せて明らかにした。

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