安倍首相:消費税判断で最終局面、あす午後に記者会見へ

更新日時

安倍晋三首相は17日午後、一連の国 際会議出席に伴う外遊から帰国した。来年10月からの消費増税判断の材 料の一つとなる7-9月実質国内総生産(GDP)は市場予想に反して 2期連続のマイナス成長となり、自民党内からはこれを受けて首相が増 税延期を決断するとの声が出ている。

首相はこれまで7-9月期のGDPなどを勘案した上で、再増税の 是非を判断する考えを示してきた。内閣府が17日午前発表した速報値は 年率換算で1.6%減となり、2.2%のプラス成長の市場予想を下回った。

自民党の柴山昌彦財務金融部会長はGDP発表後、ブルームバー グ・ニュースの電話取材に対し、GDP数値には日銀の直近の追加緩和 の効果は反映されていないとしながらも、この数字を受けて安倍首相は 増税延期を決断すると「確信」していると述べ、少なくとも半年以上の 延期が必要と述べた。

首相側近は17日午後、ブルームバーグ・ニュースの取材に対し、首 相が18日に記者会見することを明らかにした。読売新聞は17日付朝刊 で、首相が18日午後に記者会見し、増税の先送りと解散する考えを表明 すると報道している。

菅義偉官房長官は17日午前の記者会見で、消費増税への対応につい て「総理が帰って来て判断すると思うが、今回の2四半期連続マイナス になったというデータを注意深くまず注視する」と述べた。

1年半延期

首相の経済政策のブレーンである本田悦朗内閣官房参与は12日の講 演で、7-9月期のGDPが前期比年率で3.8%増以下であれば「次の 増税というのは問題外」と発言していた。同氏や自民党の山本幸三衆院 議員らはこれまで17年4月までの1年半先送りを主張しており、複数の 自民党議員は先週、増税延期ならこの案を採用するとの見方を明らかに している。

山本氏が会長を務める「アベノミクスを成功させる会」は18日の会 合で消費増税の1年半延期を求める提言をまとめる予定。同氏の事務所 によると、山本氏は午後に首相と面会し、この提言を手渡す予定だ。

消費増税法は実際の増税実施に当たって、「経済状況等を総合的に 勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる」との規定を 盛り込んでいる。増税延期はこの「景気条項」が根拠となるが、実際に 先送りするには法改正が必要になる。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストはGDP発表後の リポートで、消費増税延期は「決定的だ」と指摘。法改正の際のポイン トは「再び景気条項が盛り込まれるか否か、および軽減税率導入の有無 だ。景気条項を導入しない代わりに軽減税率を導入し、国民の理解を得 る方向となるのではないか」とみている。

民主党

消費税増税は民主党政権時代の2012年、民主、自民、公明の3党が 合意。5%だった税率を14年4月から8%、15年10月から10%に段階的 に増税する計画だった。

民主党のウェブサイトによると、海江田万里代表は14日の幹部会合 で、「消費税は引き上げられない環境に至った」との結論に基づき党内 を取りまとめるよう指示。維新、みんな、生活などの各党も増税凍結を 求めている。

自民党の選挙対策に詳しい関係者2人は先週、衆院選は「12月2日 公示-14日投開票」の方向で調整していることを明らかにした。共同通 信によると、石破茂地方創生担当相も15日、鳥取県内で講演し、この日 程で安倍首相が衆院選を決断するとの見通しを示したと報じた。

大義

自民党の山本有二元金融担当相は16日、フジテレビの番組で「3党 合意を全部ほごにして1年半延ばすというのはだれに聞けばいいのか」 と、国民に信を問う解散の正当性を主張した。

税制調査会顧問の町村信孝元官房長官は13日、ブルームバーグ・ニ ュースの取材に対し、消費税と解散の関連について「上げるから解散、 上げないから解散、どちらも理屈を立てようと思えば立つ。それは逆 に、どちらも理屈にならないということ」と指摘した。

同党総務会メンバーの村上誠一郎元行政改革担当相は14日、国会内 で記者団に対し、解散は「大義名分がない」と語った。閣僚の政治とカ ネをめぐる問題などを念頭に「いろいろ不祥事があり、これ以上、点数 増えないと。それでやるというのはおかしい」とも述べた。

民主党の前原誠司前経済財政担当相は16日のフジテレビの番組で、 このまま解散すれば「自民党も望んでいない。個利個略、安倍身勝手解 散」と皮肉った。

--取材協力:広川高史.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE