元村上ファンド丸木氏:アクティビスト戦略で資産200億円へ

元村上ファンドの幹部だった丸木強 氏(55)が2012年に設立した投資会社ストラテジックキャピタルは、運 用資産を現在の約90億円から1年以内に200億円に倍増させる方針だ。 海外からの資金取り込みを狙い、「モノ言う株主」として、投資先企業 の株主価値向上を目指す。

丸木氏によると、同社は金融資産を保有し、配当性向が低く株主還 元の拡大余地が大きい国内の上場企業に対し、経営改善や資本政策の変 更などを促す。中には「他の投資家が変わらないと思っている会社もあ る」とし、場合によっては株主総会での株主提案も辞さず、中長期的な 企業価値の向上を促すファンドとは一線を画す。

現在の投資家は国内の富裕層が中心だが、6月に適格機関投資家向 け投資運用業の登録が完了したのを受けて、海外投資家の開拓に力を入 れる。同氏は、「アクティビスト戦略だと日本の機関投資家はなかなか 投資してくれない」とした上で、「海外投資家からのニーズはあるので はないか」との見方を示した。

当面の投資対象は時価総額が小さい会社が中心だが、将来的には運 用規模を1000億円程度まで拡大し、時価総額の大きい会社にも事業戦略 を提案したり、時価総額の小さい会社の保有比率を高めることなども検 討したい考えだ。

丸木氏は野村証券出身で、99年に旧通産省OBの村上世彰氏率いる 村上ファンドの設立・運営に参画。06年に村上氏がインサイダー取引で 逮捕された後、ファンドの解約手続きを指揮した。

返り咲き

モノ言う投資家としてアクティビストファンドを再始動したのは11 年に投資家から依頼されたのがきっかけ。一度は断ったが、12年夏に再 度依頼を受け同年12月に約35億円で運用を始めた。

「株主は株式会社の有権者。有権者が声を出さないと」が丸木氏の 持論。スチュワードシップコードの導入で投資家による企業経営監視の 強化が求められる中、「ここ数年が世の中の後押しを受けられ、日本企 業を変えるチャンス」と話す。

短期的な利益追求は悪いことのような批判もあるというが、「投資 家からみたら、短期で成果が出た方が良いはず。うまくできれば儲かる が、そんなに世の中はうまくいかない」と反論する。期間2-3年で内 部収益率(IRR)20-25%を想定している。

現在の投資先は、日本デジタル研究所、アイネス、ダブル・スコー プ、大和冷機工業、マックハウスなど7社。400円台半ばで投資した車 両輸送のゼロに絡む株式公開買付(TOB)では830円で応札、売却益 を得た。これまでの2年弱の運用結果は「TOPIX並み」。 TOPIXは約2年間で75%上昇している。