【日本株週間展望】5週続伸へ、増税有無判断が焦点-GDP

11月第3週(17-21日)の日本株は 5週続伸しそうだ。週初に7-9月期国内総生産(GDP)の速報値発 表、安倍晋三首相が外遊日程から戻るのに合わせ、政界や市場で広がっ た消費税再増税の見送りと衆院解散観測の行方が焦点になる。投資家の 間では、総選挙実施後の政権基盤の強化と政策遂行に期待感が強い。

野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテ ジストは、増税延期と衆院解散・総選挙実施の可能性自体は相場に織り 込まれ、「選挙後に与党がどんな政策を出してくるかどうかに注目が移 りつつある」と指摘。財政のばらまきで終わると評価は変わるが、「も う一度成長戦略を進めるエネルギーが出てくるなら、マーケットにはプ ラス」とみている。

第2週の日経平均株価は週間で3.6%高の1万7490円83銭と、5カ 月ぶりに4週続伸した。安倍首相が来年10月に予定される消費税率10% への引き上げを見送り、国民に信を問うために衆院を解散、総選挙に踏 み切るとの観測が急浮上。与党幹部の発言を受け日増しに解散風が強ま り、株式市場では景気への好影響を見込み、業種別上昇率トップの不動 産をはじめ、小売や陸運など内需関連株の上げが目立った。

首相はこれまで、7-9月期GDPなどを参考に経済情勢を見極め た上で、年内に消費税率引き上げ有無の判断を行うとしてきた。11日に 中国・北京で行われた内外記者会見でも、記者団の質問に「解散のタイ ミングについて何ら決めてない。国内では憶測に基づく報道があると聞 いている。それらに答えることはしないが、私自身解散について言及し たことは一度もない」と述べた。

ブルームバーグ・ニュースが与党関係者へ行った取材によると、消 費税率の再引き上げは2017年4月まで延期される可能性がある。また、 安倍首相が衆院を解散した場合、総選挙の投票日は12月14日の方向で調 整される見通しだ。自民党の野田毅税制調査会長は国会内での一部記者 団の取材に、「総理も消費税増税をやめたわけでもないだろう。いつか に延ばそうという話」と発言。経済状況に基づく判断があるのは自民・ 公明・民主3党合意の枠内で、首相が延期判断をした際には容認する考 えを示した。

市場予想はプラス2.2%、海外勢に広がる期待

こうした中で、内閣府は17日午前に7-9月GDPの1次速報値を 発表する。ブルームバーグ・データがまとめたエコノミスト予想では、 前期比年率プラス2.2%になる見通し。消費税増税の影響が直撃した前 四半期のマイナス7.1%からは改善するが、日本銀行は先に発表した展 望リポートで14年度の成長率見通しをプラス1%から0.5%に下方修 正、バークレイズ証券ではさらに下方のプラス0.2%と厳しくみる。

7-9月GDPの2次速報値は来月8日の公表予定だが、衆院解散 のタイミングを含む政局の思惑も絡み、安倍首相が前倒しで判断してく るかどうかに投資家の注目が集まっている。首相はアジア太平洋経済協 力会議(APEC)や東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議など への参加で、9日から続いていた外遊日程が17日に終了する。

アムンディ・ジャパンの吉野晶雄チーフエコノミストは、「消費税 増税をしないことで、5.5兆円が家計から吸い上げられる負担がなくな り、消費にはプラス」と指摘。海外投資家らは衆院が解散し、安倍政権 が向こう4年間しっかりとやっていけば良い、とみていると言う。

日銀の追加金融緩和や年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF)の運用資産比率の変更を受けた10月5週、11月1週の2週 間で海外勢は日本株を1兆3000億円買い越し。ことしは10月末まで6000 億円ほど売り越していたが、ここへきて買い越し転換し、解散風が吹き 始めた以降も買いが続いている公算は大きい。

過熱感は重し

一方、日経平均の14日時点における25日移動平均線からの上方乖離 (かいり)率は、目先の天井圏を示す10%に達している。また、日経平 均のTOPIXに対する相対的な位置関係を示すNT倍率は13日に12.5 倍と、昨年12月以来の高水準を記録。3月期決算企業の業績開示も一巡 し、先物の影響を受けやすい日経平均主導で上がってきた相場の表れ で、やや歪な状況が修正されれば、上昇の勢いは鈍りそうだ。

野村証の若生氏は、イベント・ドリブン型のヘッジファンドなど短 期資金が直近の日本株買いの中心になっていると分析。「短期的な過熱 感も気になり、上値を追うというより横ばい、じり高のイメージ」と話 している。

このほか第3週の投資材料は、国内で18日に消費税再増税の是非を 有識者に聞く集中点検会合が最終日を迎え、19日には金融政策決定会合 を受けた黒田東彦日銀総裁の会見、20日に10月の貿易収支がある。海外 では、17日に米国で鉱工業生産、18日にドイツのZEW景況感指数、19 日に米住宅着工件数、20日に米景気先行指数が公表予定だ。

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