邦銀3メガ:上半期3.6%減益、融資は海外が貢献も国内が課題

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国内3メガ銀行グループの4-9月 (上半期)の連結決算が14日出そろった。三菱UFJは海外業務好調な どで増益となったが、三井住友FとみずほFGは減益で純利益合計は前 年同期比3.6%減の1兆4136億円だった。景気回復の遅れや低金利が続 く中、メガバンクは国内貸し出し業務の回復に苦慮している。

各社が14日までに東証で開示した。純利益は三菱UFJが前年同期 比9.1%増の5787億円、三井住友Fが5.2%減の4795億円、みずほFG が17%減の3553億円だった。アベノミクス効果が前年同期の収益を押し 上げた反動で株式関係の損益が減ったほか、融資残高の伸び悩みや収益 性を左右する利ざや改善の遅れも響いた。

連結粗利益は合計で3%増の4兆5306億円。融資利息など資金利益 はタイ大手のアユタヤ銀行を連結化した三菱UFJで14%伸びたが、三 井住友Fとみずほは減少した。銀行や証券子会社での投信販売手数料も 減り、役務取引等利益は合計で0.2%減少した。ただ、取引先の業況改 善に伴い与信関係費用は各社で戻り益となった。

三井住友Fの宮田孝一社長は決算会見で、追加緩和の影響について 「金利は下限まで下がっており、景気が良くなり貸し出しが多くなって いく」と銀行収益の下支え要因にはなると指摘。ただ、「厳しい状況は まだしばらく続く」と述べた。三菱UFJの平野信行社長は、「利ざや は下期も低下する」可能性があるとみている。

国内向け融資

SMBC日興証券の中村真一郎アナリストは、日銀の追加緩和を受 け「国内で利ざやの低下が続けば、貸し出しが相当伸びなければ収益拡 大には追いつかない」と指摘。貸し出し関連の収益では、これまでと同 様に「海外に頼るという構造は続く」とみている。

みずほの佐藤康博社長は会見で国内貸し出しについて、「大企業は 設備投資の更新がかなり出てきており、海外M&Aも多くなってきてい る」とした半面、「中小企業は残高は増えているがスプレッドが下がっ ており、収益性で予断を許さない」と述べた。

国内預貸金利ざやは三菱UFJ(2行合算)が前年同期比0.09ポイ ント低下の1.09%、三井住友(単体)が0.09ポイント低下の1.31%、み ずほ(単体)が0.08ポイント低下の1.10%と低迷が続いている。一方、 海外融資残は9月末で約35兆5000億円と1年前から25%増加した。三井 住友Fはドルベースで17%増、みずほも同9.2%増えた。

日銀統計によると、都銀の総貸出平残(前年同月比)は12年12月か ら14年10月まで23カ月連続で増加。安倍政権の発足以降、貸出残高の拡 大は続いているが、8月の国内銀行の貸出約定平均金利(新規) は0.767%と過去最低水準にある。

アベノミクス

前年同期に利益を支えた保有株の売却益など株式等関係利益は、三 菱UFJが47%減の229億円、三井住友が12%減の530億円、みずほ が9.2%減の354億円だった。与信関係費用は3グループとも戻入益とな り合計では45%の2060億円で各社の利益を下支えした。

4月以降は消費増税の影響で景気回復が遅れ、アベノミクスの景気 浮揚などへの効果に不透明感が広がる中、10月末に日銀が追加金融緩和 を打ち出した。日経平均株価は約7年ぶりに1万7000円を回復した一方 で、東京銀行間取引金利(TIBOR)は低下した。

純利益の通期目標・予想は三菱UFJが9500億円、みずほが5500億 円をそれぞれ据え置いたが、三井住友は7000億円(従来6800億円)に上 方修正した。ただ、各社とも前期比では減益となる見込みだ。

--取材協力:谷口崇子.

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