三菱商のドンギLNG、15億ドルの事業融資契約へ

三菱商事が初めて最大出資者となる インドネシアのドンギ・スノロ液化天然ガス(LNG)プロジェクト は、きょうにも三井住友銀行を中心とする融資団と約15億ドルの融資契 約で最終合意することが明らかになった。インドネシアのLNG事業向 けとしては初のプロジェクトファイナンスでの調達となる。

事情に詳しい関係者によると、融資期間11年で、国際協力銀行が半 分の7億6000万ドルを融資するほか、財務アドバイザーを務める三井住 友銀に加え、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行の3行が4分の1にあた る3億8000万ドルを、韓国輸出入銀行と同国の民間2行が残り4分の1 を融資する。民間銀の融資にはすべて日本貿易保険と韓国輸出入銀行が 保険をつける。

東日本大震災以降、原発代替燃料としてLNGの需要が高まってお り、13年の日本の輸入量は震災前から25%増え、世界需要の約37%を占 める世界最大の輸入国(約8750万トン)となった。韓国は世界第2位の 輸入国であり、資源を長期安定的に確保するため、世界のLNG輸入量 の約半分を握る日・韓両政府が同事業を金融面で支援する。

同事業には、三菱商事が約44.9%を出資するほか、インドネシア国 有石油ガス会社プルタミナが29%、同国民間最大手エネルギー会社のメ ドコ・エナジーが11%、韓国ガス公社が15%を出資することで11年1月 に合意。来年半ばに生産を始め中部電力に100万トン、韓国ガス公社 に70万トン、九州電力に30万トンを販売する。

4年の歳月

ドンギ・スノロLNGは、インドネシアのLNG事業の中で、ボン タン、アルン、タングーに続く4番目のプロジェクト。関係者による と、従来は上流のガス田と下流の液化設備を一体的に開発する事業形式 だったが、初めての上下分離形式となり、下流事業にプロジェクトファ イナンスを導入した。

同国初のLNG事業向けプロジェクトファイナンス導入に際し、担 保や債務保証の条件交渉に時間がかかり、投資決定からファイナンス組 成まで4年近い歳月を要した。来年半ばの生産開始に向け、液化設備は 完工に近づいており、これまで総事業費28億ドルの9割程度が三菱商事 など出資者からの融資で賄われたという。新規融資が組成されれば、出 資者はこの資金を回収し、新規投資に振り向けることができると関係者 は話した。

三菱商の資料によると、同社は1969年のアラスカに始まり、計12の LNG事業に参画、世界25拠点でLNG事業を展開する。日本における LNG取扱いシェアは輸入量の36%にのぼり、今後も豪ウィートストー ンや米キャメロン、豪ブラウズ、カナダなどでLNG計画を推進中だ。

--取材協力:Finbarr Flynn.

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