新しい「バンカー居留地」がシドニーに出現、ハーバー見渡す

百万ドル単位の改装が必要なもの の、シドニーの美しい港とオペラハウスから目と鼻の先にある住宅物件 が売りに出されている。もっとも、このために立ち退きを迫られる低所 得層は大迷惑だ。

みすぼらしい家だが寝室が3つあり2階の小さな窓からハーバー・ ブリッジが見える住宅は、9月に230万オーストラリア・ドル(約2 億3300万円)で売れた。売主はニューサウスウェールズ州。歴史的に労 働階級が住んできたシドニー中心街の公共住宅の一斉入札は5回目だっ た。

トリプルAの格付けを死守したい同州は、不動産ブームで価値の高 まった公共住宅群を売ることを考え付いた。しかも物件が集まる地区 は、ビジネス街の中心と開発が進む新たな金融街の間にある。

売却する1軒につき別の場所に公共住宅3軒を建てると州政府は表 明しているが、生まれてからずっとここに住んできたバーニー・ガード ナーさん(65)は納得しない。「政府は公共住宅の修繕をやめて荒廃さ せることでわれわれを追い出そうとしている」と、政府補助により週1 万円程度で家を借りているガードナーさんは言う。

一方、荒れ放題の家の99年間の借家権を3年前に175万豪ドルで買 った元バンカーのジョン・ブルフォードさん(53)は「いろいろな人が 住んでいて味のあるこの地区が気に入って買ったのだが、弁護士とバン カーの居留地になってしまうかもしれない」と話している。

原題:Banker Enclave Rises as Poor Kicked Out of Harborside Homes (1)(抜粋)

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