殺人事件発生の「幽霊マンション」、香港でも売却は困難

香港の不動産市場である現象が起き ている。殺人事件が発生したマンションの賃料が最大50%値引きされて いるのだ。

不動産仲介会社、美聯集団(ミッドランド・ホールディングス)の 住宅部門責任者、サミー・ポー氏によれば、変死が発生した集合住宅で は賃料が10-20%値引きされ、殺人事件の場合にはその2倍以上割り引 きされる可能性もある。中国人たちの間ではこのような集合住宅は「幽 霊マンション」と呼ばれ、不吉な場所と考えられているという。

このような場所に住むことについて「中国人は非常に気に掛ける」 とポー氏は語る。

警察当局が1日に女性2人の死体を発見した湾仔地区の高級マンシ ョン「Jレジデンス」の部屋の賃料は、殺人事件発生時には1カ月2 万9000香港ドル(約43万円)だった。この集合住宅を保有する企業のデ ィレクターが、公に発言することが許可されていないとして匿名を条件 に明らかにしたところによれば、警察当局によるこの住宅への立ち入り 禁止措置が解除され、清掃が終了して再び貸し出される際には賃料は半 額に値引きされる可能性が高い。直ちに売却されるとすれば価値は900 万香港ドルから600万香港ドルに低下する見込みだという。

スクエアフット・ドットコム・HKが集計したデータによれば、香 港で今年、殺人や自殺などの変死が発生した場所は約190カ所に上る。

風水を重視

悲劇が起こった場所に住むのを人々がちゅうちょするのは香港だけ ではないのは確かだ。しかし、不動産鑑定会社ミラー・サミュエル(ニ ューヨーク・マンハッタン)のジョナサン・ミラー社長によると、香港 同様に住宅需要の高いニューヨーク市では不吉な住宅という印象が香港 ほど強く意識されることはない。

英最大の住宅査定会社、イー・サーブのディレクター、リチャー ド・セクストン氏は、特に犯罪の発生によって住宅が売れなくなること の多い英国では、解体し再建する必要があると指摘する。

一方で、「民話的な世界観からすれば英国は他国とは異なる。友好 的な幽霊が住み着いている住宅は良い印象を与える場合もある」とセク ストン氏は説明する。

香港では不動産業者は、エネルギーの流れと居住空間などに関する 考え方に基づいて環境の調和を図る「風水」を重視する。香港大学で風 水について講義した経験のあるン・ワイポク氏は「香港で育った人々に とって風水は心に根付いている」と指摘する。

不動産関連のウェブサイト、スペーシャス・HKの創業者、アジ フ・ガフォール氏によると、外国人居住者は「幽霊マンション」に住む ことについてそれほど心配しない傾向がある。彼らにとっては「立地の 方がずっと重要だ」と同氏は述べた。

原題:‘Haunted Apartments’ a Hard Sell in Hong Kong After Murders (2)(抜粋)

--取材協力:Natasha Khan.

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