日銀緩和でFリテ株に1800億円流入か、柳井氏資産拡大-推計

更新日時

ファーストリテイリングの柳井正会 長兼社長は、日本銀行による追加金融緩和の恩恵を最も受ける資産家に なりそうだ。上場投資信託(ETF)購入額の拡大で、日経平均株価へ の寄与度が大きいFリテイリ株への資金流入も増加し、創業者で筆頭株 主の柳井氏の保有価値も膨らむと市場でみられているためだ。

東海東京調査センターの試算によると、日銀による来年末までの ETF買い枠は約3兆3000億円で、このうち約1800億円がFリテイリ株 1銘柄に流入する見込み。

日本アジア証券グローバル・マーケティング部の清水三津雄次長 は、「日銀緩和や消費増税先送り観測で日本の景気・企業業績に対する 明るさが出てきたことによる株価の先高観、日銀によるETF買いによ り、まず日経平均先物が買われやすくなっている」と指摘。そうした環 境下では、「日経平均ウエートの高いFリテイリ株には買いが入りやす い」と言う。

日経平均は、日銀決定前日の10月30日から11月13日まで11%上昇、 JPX日経インデックス400は9%高、TOPIXは8.7%高だった。ブ ルームバーグ・データによると、Fリテイリの日経平均の指数ウエート は10%で、全225銘柄中の1位。2位のソフトバンク5.5%、3位のファ ナック4.6%などに比べても大きさは突出している。

Fリテイリ株は日銀の追加緩和が発表された10月31日に7.1%高と なって以降、上昇基調が続いており、13日には終値で4万4285円と1年 ぶりの高値を付けた。「Fリテイリ株はファンダメンタルズでは説明で きなくなっている。日経平均が1万8000円になるなら、株価5万円にな っても不思議ではない」と、日本アジア証の清水氏は予想した。

世界35位のビリオネア

東海東京調査の鈴木誠一マーケットアナリストは、日銀の足元の ETFの買い入れを日経平均型が54%、TOPIX型が46%と推計して いる。ことしの残余分と来年末までの買い入れ枠の予想である約3 兆3000億円を基準にすれば、日経平均型に約1兆8000億円、その1割に 当たる約1800億円がFリテイリ株に向かい、柳井氏の資産価格も上昇し そうだと同氏はみている。

ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、日本一の資産家でグロ ーバルでは35位の柳井氏はFリテイリ株の22%を保有。資産額は192億 ドル(約2兆2000億円)となっている。

日銀は10月31日、指数連動型ETFの年間買い入れペースを従来の 年間約1兆円から年間約3兆円へ3倍に増やした。不動産投資信託(J -REIT)の買い入れ額も、従来の年約300億円から同約900億円へ3 倍とした。

14日のFリテイリ株は朝方に一時前日比1%高の4万4730円まで上 昇、昨年12月26日に付けた52週高値(4万5350円)に近づいたが、その 後はマイナスに転じた。きょうは、株価指数オプションの特別清算値 (SQ)算出があり、日経平均やFリテイリ株はそれに関連する売買の 影響も受けた。売買高は午後1時時点で140万株を超え、前日の2倍近 くに膨らんだ。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE