NT倍率急伸、日銀のETF追加刺激し15年ぶり水準が視野に

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日本銀行が追加金融緩和で上場投資 信託(ETF)の買い入れペースの増加を表明して以降、国内主要株価 指数の中で日経平均株価のパフォーマンスが最も良好だ。TOPIXに 対する相対的な位置関係を示すNT倍率も急上昇している。

日銀の政策変更が発表される前日の10月30日終値と11月12日終値を 比較すると、日経平均株価は9.8%高、JPX日経インデックス400は 8%高、TOPIXは7.7%高だった。一方、時価総額が相対的に小さ い銘柄で構成されるTOPIXスモールは3.8%高にとどまった。

日経平均の上昇率が拡大している影響で、日経平均をTOPIXで 割ったNT倍率は12日時点で12.5倍と2日連続でことし最高を更新。昨 年12月には12.7倍と、国際優良株相場の全盛だった1999年3月以来の高 水準を付けていた。このままNT倍率の上昇が続き、13倍に乗せると15 年ぶりとなる。

東海東京調査センターの鈴木誠一マーケットアナリストは、「日銀 の現在のETF買い入れは上場ETFの時価総額に応じた金額で行って いるため、足元では日経平均型を54%、TOPIX型を46%買っている 計算になる」と分析。日経平均を常にロング(買い持ち)にすればレバ レッジが利く投資になるとし、「日銀のETF買いはNT倍率を拡大さ せる」との認識を示した。

日銀は、ETFの年間買い入れペースを従来の年間1兆円から年間 3兆円へ3倍に増やした。さらに、ETFの買い入れ対象に新たに JPX日経400連動型ETFを加えている。

品薄株で効果大、Fリテイリやアドテストなど

鈴木氏によると、日銀によるETFの買い入れ額はことしの残り分 と来年分を加えた合計で約3兆3000億円。このうち、約1兆8000億円は 日経平均型のETFを買う計算になるという。NT倍率の上昇は、短期 的には行き過ぎの可能性はあるものの、「昨年12月の12.7は通過点で、 近い将来には13に乗せるだろう」と予想した。

日経平均が上昇することで、「日経平均に採用されている銘柄で、 流動性が少ない品薄株は価格効果が大きくなる」とも同氏。影響が相対 的に大きい品薄上位5銘柄にファーストリテイリング、アドバンテス ト、ミツミ電機、コナミ、日立建機を挙げる。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、日経平 均のパフォーマンスが高い要因として、「日経平均やJPX日経400は 大型株が多いのに対し、TOPIXは一部の大型株が買われても全体の 反応は鈍くなる」と指摘。指数間でパフォーマンス格差が生じたのは、 「相場の速い動きについていくため、流動性の高い大型株中心に海外勢 の買いが入ったため」とみていた。

野村証券によると、日本に上場している日本が主市場の全ての指数 連動型ETF・ETN(レバレッジとインバースは除く)の10月末残高 のうち、日経225型は6本で全体の48.6%、TOPIX型は4本 で41.6%を占める。残高では、日経225型がTOPIX型を上回る。

13日の日本株市場では、日経平均は一時前日比1.2%高の1万7395 円15銭、TOPIXは1%高の1390.29ポイントに上昇。日経平均の上 昇率がTOPIXを上回り、NT倍率は12.52倍まで上がった。

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