「やすい」牛丼、円安で揺さぶられる-米国産牛10年ぶり高値

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日本が輸入する米国産牛肉がここ1 年間に約2倍に値上がりし、約10年ぶりの高値に達している。円安によ るコスト上昇は、食品メーカーの利益に打撃を与えている。

農畜産業振興機構によると、吉野家ホールディングスなどが提供す る牛丼に利用される牛肉部位、北米産冷凍ショートプレートの卸売価格 は10月に1キログラム当たり1081円と、前年同月の555円から上昇し た。牛海綿状脳症(BSE)の影響で政府が2003年に米国産牛肉の輸入 を禁止した後の04年以来の高値。

日本銀行による予想外の追加緩和決定をきっかけに円は対ドルで7 年ぶりの安値に下落し、輸入コストが上昇している。日本は食料の 約60%を輸入に頼っている。牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンシ ョーホールディングスは、食肉コストの上昇などを理由に、今期(15年 3月期)営業損益予想を、1982年の創業以来初の赤字に修正した。

吉野家の広報担当者、吉村康仙氏は、円安と米国での牛肉価格上昇 のダブルパンチを受けていると説明。当社は「うまい、やすい、はや い」牛丼を提供することを目指しているのでコスト上昇分を消費者に転 嫁するのは容易ではないと述べた。

吉野家は5月まで販売した牛すき鍋膳と牛チゲ鍋膳を10月から再び 発売したが、並盛の値段は630円で以前より40円高くした。牛丼並盛に ついては、消費税引き上げに伴って7.1%値上げした4月以降、300円に 据え置いている。味の素は食肉コストの上昇を反映し、家庭用冷凍食品 を3-10%値上げすることを決めた。

家計を圧迫

日銀が10月末に予想外の追加緩和を発表し、円は下落した。ブルー ムバーグ・ニュースがアナリストを対象に実施した調査では、追加緩和 を予測していたのは32人中わずか3人だった。

円は対ドルでここ3カ月間に10%余り下落。今月11日には1ドル =116円10銭と、7年ぶりの安値を付けた。

円安と4月の消費税引き上げにより食料価格が上昇し家計が圧迫さ れている。政府のデータによると、食料価格は9月に前年同月比 で5.1%上昇。5月には5.3%と、1991年7月以降で最大の上昇率を示し た。

食品は消費者物価指数(CPI)の構成品目の約25%を占め、日銀 はインフレ率の押し上げを目指しているため、安倍内閣が消費税引き上 げを検討する中、食料価格の上昇が家計を圧迫すれば消費が脅かされる 可能性がある。

吉野家HDの株価は午後1時現在で前日比4円(0.3%)安の1281 円。2月13日に今年の最高値1567円を付けたが、10月17日には最安値 の1199円まで値下がりした。

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