債券は反発、利回り大幅上昇で買い優勢-5年債入札は市場予想の下限

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債券相場は反発。消費増税の先送り 観測を織り込む売りで、長期金利が1カ月半ぶり水準まで達したことか ら買いが優勢に転じた。きょう実施の5年債入札結果が市場予想の下限 に収まったことも安心感につながった。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は前日比2銭高の145円87銭 で開始後、145円71銭と日中取引ベースで9月22日以来の安値を付け た。直後からプラスに転じたが、午後に入るといったん下落し、再び上 昇。取引終了前にかけて146円11銭まで水準を切り上げ、結局は23銭高 の146円08銭で引けた。

みずほ証券の末広徹マーケットエコノミストは、「5年債入札が不 安視されていたため、朝方は先物を中心に弱かった。入札を無難にこな したので不安が後退し、押し目買いも出て、昨日売られた分を戻す展開 になった」と説明した。「株高・円安でも、債券市場には日銀の買いと いう安心感があるので、金利はそう簡単には上がりにくい。しかも、海 外金利も上がってきていないのも追い風となっている」と話した。

日本相互証券によると、新発10年物国債の335回債利回りは前日午 後3時時点の引値より1.5ベーシスポイント(bp)上昇の0.535%と9月22 日以来の高水準で開始。一時0.515%に下げたが、午後に入ると0.53% まで上昇後は水準を切り下げ、0.50%ちょうどまで低下した。5年物 の121回債利回りは午前は横ばいの0.16%で推移した。午後は一 時0.165%に上昇した後、0.15%に下げている。

20年物の150回債利回りは一時1.315%と10月31日以来の高水準を付 けたものの、午後に入ると2.5bp低い1.275%まで低下した。30年物の44 回債利回りは5bp低い1.49%に下げた。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、債券市場は消費増 税先送りや衆院解散・総選挙の可能性を急ピッチで織り込んだとし、 「前日までの相場急落でろうばい売りは一巡のもよう。株高や円安地合 いでなお不安定ながらも、国内投資家は債券に対して買いスタンス」だ と話した。

5年債入札

財務省がきょう実施した表面利率0.2%の5年利付国債(120回債) の入札結果によると、最低落札価格は100円17銭と市場予想を1銭下回 った。小さければ好調なテール(落札価格の最低と平均の差)は2銭と 前回と同じ。投資家需要の強弱を示す応札倍率は3.70倍と前回の4.54倍 を下回った。

SMBC日興証券の山田聡シニアクオンツアナリストは、5年債入 札結果について、「最低落札価格は市場予想の下限で決まった。テール の2銭は5年入札としては前回に続いてやや大きい。最近数日間の相場 の振れが多少影響したのではないか」と分析した。

東京株式相場は上昇。午後に上げ幅を拡大し、TOPIXは前日 比0.9%高の1389.51で引けた。外為市場で円は1ドル=115円台後半に 下落。前日には114円89銭まで円高が進む場面があった。

みずほ証の末広氏は、「消費増税先送りの報道が出ているが、先送 りする場合、いつまで延期するのか、財政健全化の遅れにどうコミット するのか、安倍晋三首相の説明が焦点になるだろう」と言う。

内閣府が午前発表した9月の機械受注統計によると、民間設備投資 の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」は前月比2.9%増となっ た。ブルームバーグ・ニュース予測調査の同1.0%減を上回った。

機械受注統計について、野村証券の松沢中チーフストラテジストは 「債券にややネガティブ」と指摘。「9月実績が市場予想を上回り、7 -9月期は前期比5.6%増と持ち直しが明確だ。一方、10-12月はほぼ 横ばいで加速感はない」と分析した。

--取材協力:赤間信行.

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