河合氏:消費増税先送りなら日銀の金融政策のかじ取り困難に

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日本銀行の河合正弘参与は、来年10 月に予定されている消費税率の10%への引き上げが延期されれば日銀の 金融政策のかじ取りが困難になるとの見方を示した。

現在、東京大学教授でもある河合氏は11日、ブルームバーグ・ニュ ースとのインタビューで、日銀が金利低下とインフレ押し上げのために 大量の国債を購入しており、「消費増税が先送りされたら、安倍首相は 財政の信頼を失いリスクプレミアムが高まり、日銀の金融政策は一段と 困難になる」と述べた。

新聞の世論調査などで消費増税に反対する声が多いことから、安倍 晋三首相が早期の衆院解散に踏み切るとの見方が強まり、与野党は総選 挙に備える準備を始めた。黒田東彦日銀総裁は消費増税が先送りされた 場合のリスクに対処するのは難しいとの考えを示している。

河合氏は「消費増税は予定通り行うべきだ。アベノミクスは異次元 の金融緩和とともに始まっており、消費増税が先送りされれば財政再建 への信頼を失い緩和の力を弱める」と述べた。同氏は2001-03年に黒田 総裁が当時の財務省の財務官だったころ、副財務官を務めた。

追加緩和

日銀は10月31日、追加緩和を決定しマネタリーベースの目標額を年 間約80兆円に引き上げた。

BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは決定後のリポ ートで、この決定の背景について「黒田東彦総裁にとっては、インフレ 目標達成の重要性もさることながら、消費増税を可能とする政治的環境 を整える、ということも同時に重視していたのだと思われる」との見方 を示した。

河合氏は「選挙をしている時間はない。安倍首相には経済を再生す る仕事が山積している。選挙を行うより、TPPや地域創生などの構造 改革にエネルギーを使うべきだ」との考えを示した。

安倍首相は11日、APEC首脳会議後に北京で会見し、「解散のタ イミングについては、私は何ら決めていない」と述べた。首相は12月末 までに消費増税の是非を判断する方針を示している。

自民党の笹川博義衆院議員は11日の取材に対し、解散判断は「総理 がすること」としながらも、消費税再増税先送りの是非は「国民の審判 を仰ぐという大義はある」と述べ、 年内解散に備えた準備に入ってい ることを明らかにした。複数の自民衆院議員も準備を開始したことを匿 名で明かした。

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