11月12日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが対ポンドで約1年ぶり高値-政策金利見通しで

ニューヨーク外国為替市場ではドルがポンドに対して約1年ぶり高 値に上昇。米金融当局が利上げの準備を進める一方、イングランド銀行 (英中央銀行)が成長率見通しを下方修正したことが背景にある。

ドルはユーロに対して値上がり。欧州中央銀行(ECB)の政策委 員会メンバー、バイトマン・ドイツ連邦銀行総裁はインフレが長期にわ たり低水準にとどまるとの予想を示した。円は対ドルで7年ぶり安値か ら上昇。安倍晋三首相が早期衆院解散・選挙を検討しているとの観測に 水を差す発言が日本の当局者から出た。ニュージーランド(NZ)ドル は上昇した。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「これで英国の利上げ が一段と先送りされると見られ、米国が列の先頭にいる状況のようだ」 とし、「米経済の回復で、米金融当局が利上げの先頭に立ち続けるだろ う」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはポンドに対し前日比0.9% 高の1ポンド=1.5779ドル。一時1.5776ドルと、2013年9月以来の高値 を付けた。対ユーロでは0.3%上げて1ユーロ=1.2438ドル。

円は対ドルで0.3%高の1ドル=115円49銭。対ユーロでは0.6%上 げて1ユーロ=143円64銭。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は0.2%上げて1094.19。

解散・総選挙、消費増税

円は主要16通貨の大半に対して値上がり。前日は一時1ドル=116 円10銭と、07年10月以来の安値を付けた。ブルームバーグ・ニュースが アナリスト50人余りを対象に実施した調査の中央値では、年末まで に112円が見込まれている。1カ月前の時点では109円と予想されてい た。

菅義偉官房長官は定例会見で、解散は総理の専管事項で言うべき立 場ではないとし、自身は選挙準備は全くやっていないと話した。また消 費増税延期の一部報道について、国内総生産(GDP)1次、2次の速 報値を見定めたいことに変わりはないと述べた。この発言に反応し、円 は上昇した。

その後、麻生太郎財務相は、消費増税の先延ばしが決まったわけで はないと発言した。

三菱東京UFJ銀行の通貨ストラテジスト、リー・ハードマン氏は 「最大の注目点は安倍首相が衆院解散・総選挙実施と消費増税先送りを 発表するかどうかだ」と指摘。「前夜にはそうした観測が強まっていた が、当局者が水を差す格好となった。当社としては可能性は高まってい るとみている。解散総選挙・消費増税延期となれば、この先の円の下振 れリスクが高まる」と加えた。

英成長率予想

カーニー総裁率いる英中銀は12日公表の四半期物価報告で、国内総 生産(GDP)成長率が2015年は2.9%、16年は2.6%と予想。8月時点 ではそれぞれ3.1%、2.8%と見込んでいた。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、ドルは過去1カ月間 に1.9%上昇。ポンドは0.2%下げ、ユーロは0.2%上げている。

原題:Dollar Climbs to One-Year High Versus Pound on Rate Outlook(抜粋)

◎米国株:S&P500とダウは小反落、公益株に売り-小型株は上昇

米株式市場ではS&P500種株価指数が小幅ながら6日ぶりに下 落。小型株は7月以来の高値に上昇した。通信サービスや消費関連株が 上げる一方、公益事業株は下げた。欧州の景気減速に対する不安が高ま ったことも株価を圧迫した。

米中両国が温室効果ガスの削減で合意したため、エクセロンなど公 益事業株が下げた。外国為替市場の指標レート操作疑惑をめぐり、欧米 当局が銀行6行に支払いを命じたことを嫌気し、銀行株も安い。一方、 ベライゾン・コミュニケーションズやAT&Tは上昇。増益決算を発表 したメーシーズは5.1%高。

S&P500種株価指数は前日比0.1%下落して2038.25で終了。ダウ 工業株30種平均は2.7ドル安の17612.20ドルで終えた。両指数は前日に 最高値を更新していた。

ナスダック総合指数は0.3%上昇し、2000年3月以来の高水準。小 型株で構成するラッセル2000指数は0.6%上昇し、6日続伸と6月以降 で最長の連続高となった。

コニファー・セキュリティーズの株式トレーダー、スティーブ・ボ ンバルディエーレ氏は「最初は欧州市場の流れを受けて神経質になった が、よくあるケースで欧州市場の引けにかけてそれが弱まった。相場を 押し下げるような非常に悪い決算や経済指標は見当たらない」と指摘。 「買いを入れないと取り残されるという不安があるため、よく起こるこ とだが押し目では買いが入っている」と述べた。

S&P500種

S&P500種は前日までに5日連続で上昇し、10月に付けた6カ月 ぶり安値からは9.5%上げていた。企業決算と経済指標が予想を上回 り、世界経済の減速にも米経済は乗り越えられるとの見方が強まったこ とが背景にあった。

カーニー総裁率いるイングランド銀行(英中央銀行)が英国の成長 率とインフレ見通しを下方修正すると、欧州の低迷が米経済を圧迫する との懸念が高まった。

フランクリン・ウェルス・マネジメントのジョー・フランクリン社 長は「欧州は景気浮揚のためできる限りのことをしているが、欧州の問 題は非常に複雑なため、一丸となって取り組むことができないでいる。 主な課題は欧州各国が協調する必要があることだ」と語った。

セクター別動向

S&P500種の10セクターのうち6セクターが上昇。通信サービス 株は0.8%高とけん引役となった。

一方、公益事業株は2%安と下げの中心となった。エクセロン は3.5%下落。公益事業株は年初からでは19%高と、上昇率2位となっ ている。

オバマ米大統領は米国における温室効果ガス排出の一段の削減を表 明。中国は初めて二酸化炭素排出の規制目標を設定する。

シティグループは0.7%、JPモルガン・チェースは1.3%それぞれ 下げた。両行はそれぞれ10億ドル前後を当局に支払う。バンク・オブ・ アメリカ(BOA)は0.2%安。

銀行と個人はともに、さらなる罰則や訴訟に直面する可能性があ る。当局は1年1カ月にわたり、外為市場の指標レートの操作で大手銀 行のトレーダーらが共謀した疑いで捜査・調査を進めてきた。

原題:S&P 500, Dow Average Halt Winning Streaks; Small Caps Advance(抜粋)

◎米国債:下落、10年債入札で需要が過去の平均を下回る

12日の米国債は下落。午後に入って実施された10年債の入札(規 模240億ドル)は需要が平均を下回った。投資家は来年の利上げを予想 している。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.52倍で、2013年8月以来の 低水準に並んだ。過去10回の平均値は2.70倍だった。最高落札利回り は2.365%。13年6月以来の最低だった。ブルームバーグ・ニュースが まとめた入札直前の市場予想は2.356%だった。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は、「金融当局はいずれ利上げする方向だ。しかし世 界的な懸念事項を考えると、米国債への海外からの需要は今も強い」と 述べ、「様々な事柄が同時に起きており、投資家は利回りを大きく動か すことができなくなっている。現在の水準近辺で推移することになるだ ろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、既発10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇して2.37%。同年債(表面利率2.375%、2024年8月償 還)価格は3/32下げて100 1/32。

30年債利回りは1bp上げて3.10%。一時は5bp下げて3.04%だ った。

米政府債のディーラー間ブローカーで最大手のICAPでの米国債 取引高は5.5%増えて2630億ドル。年初来の平均は3330億ドル。10月15 日には過去最高の9460億ドルを記録した。

米国債のボラティリティを測るバンク・オブ・アメリカ(BOA) メリルリンチのMOVE指数はほぼ変わらずの66.8bp。10月15日に は101.3bpと、13年9月以来の最高だった。年初来の平均は61.2bp となっている。

入札結果

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札比率は44.7%、過去10回の 入札の平均値は45.4%だった。プライマリーディーラー以外の直接入札 者の落札比率は13.4%。過去10回の平均は16.3%。

財務省は13日に30年債の入札(規模160億ドル)を実施する。10日 に実施された3年債入札(260億ドル)では最高落札利回りが0.998%だ った。

利回り予想

10年債利回りは10月16日に17カ月ぶり低水準となる1.86%をつけ た。ブルームバーグがエコノミストを対象にまとめた調査によると、年 末時点の利回りは2.64%と予測されている。

欧州中央銀行(ECB)と日本銀行は過去2週間で刺激策を継続す る方針を示したが、米金融当局は債券購入プログラムを終了した。

10年債と同年限インフレ連動債(TIPS)の利回り格差は1.92ポ イント。7月には2.30ポイントまで拡大していた。

イングランド銀行(英中央銀行)は12日発表した四半期物価報告 で、インフレ率が数カ月で1%弱に低下する可能性を指摘した。インフ レ率については3年かけて2%の目標に戻るとみている。

英中銀は国内総生産(GDP)成長率が2015年は2.9%、16年 は2.6%と予想。8月時点ではそれぞれ3.1%、2.8%と見込んでいた。

原題:Treasuries Pare Gains After Lower-Than-Average Demand at Auction(抜粋)

◎NY金:反落、ボラティリティの高まりが一段の売り要因に

ニューヨーク金先物相場は反落。ボラティリティが再び高まってお り、投資家は一段の売り要因と受けとめた。

アーチャー・フィナンシャル・サービシズのシニア市場ストラテジ スト、アダム・クロフェンシュタイン氏(シカゴ在勤)は電話インタビ ューで「米金融当局が量的緩和を終了し、来年に利上げを開始するとの 事実に市場は向き合っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.3%安の1オンス=1159.10ドルで終了。一時は0.6%上 昇する場面もあった。

銀先物12月限は0.4%安の1オンス=15.623ドル。

原題:Gold’s Investor Exit Shakes Off Boredom With Higher Volatility(抜粋)

◎NY原油:反落、供給懸念でブレントは4年ぶりの80ドル割れ

ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディ エート(WTI)は反落。ロンドンの北海ブレント原油は4年ぶりに1 バレル当たり80ドルを割り込んだ。米国のシェールオイル生産でだぶつ いた供給に対し、石油輸出国機構(OPEC)が何も対策を講じないの ではないかとの見方が強まっている。OPECは27日にウィーンで総会 を開く。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブ(ニューヨーク)のエ ネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は電話取材に対し、「価格を 支援するにはOPECが市場から供給を取り除く必要があることは明ら かだが、OPECがそのために行動する気配はまったく見えない」と指 摘。「原油市場はバランスを取り戻さなくてはならない。それはこの4 カ月の価格下落が示している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は前日 比76セント(0.98%)安い1バレル=77.18ドルで終了。ロンドン ICEのブレント12月限は一時2.2%下げて79.88ドル。

原題:Brent Oil Falls Below $80 For First Time in Four Years on Glut(抜粋)

◎欧州株:下落、銀行株に売り-ウクライナ情勢の緊迫化も警戒

12日の欧州株式相場は下落。銀行株の下げが目立った。ロシアの部 隊が重火器とともにウクライナに侵入していると北大西洋条約機構 (NATO)が明らかにしたことも注目された。

銀行株が安い。外国為替市場の指標レート操作疑惑をめぐり、米 英・スイス当局が英HSBCホールディングスやロイヤル・バンク・オ ブ・スコットランド・グルーープ(RBS)、UBSなど銀行6行に制 裁金を科したことが要因。今回の和解合意に加わらなかった英銀バーク レイズは2.2%下落。イタリアのエネルを中心に公益事業株も値下が り。第3四半期利益がアナリスト予想以上に落ち込んだことが嫌気され た。

ストックス欧州600指数は前日比1.1%安の335.09で終了。年初来安 値を付けた先月16日から前日まで同指数は9.3%上げていた。日本銀行 が10月末に予想外の追加緩和に踏み切ったり、ボーダフォン・グループ やカールスバーグなどの業績が予想を上回る内容だったことが背景にあ る。

アッシュバートン(英ジャージー)の投資マネジャー、ベロニカ・ ペクラナー氏は「欧州株は先月の安値から大きく戻したことから、投資 家はポジションを見直している」と発言。さらに「不透明感がややあ り、ウクライナ情勢もこの一因だ。20カ国・地域(G20)首脳会議を控 え、銀行セクターに対するネガティブなセンチメントもある。同会議で は自己資本規制が協議される」とも述べた。

12日の西欧市場では18カ国全てで主要株価指数が下落。英 FTSE100指数が0.3%安となったほか、仏CAC40指数は1.5%、独 DAX指数は1.7%それぞれ下げた。イタリアのFTSE・MIB指数 は2.9%の大幅安。

ロシア部隊のウクライナ侵入をNATOが指摘したことに対し、ロ シア国防省は侵入を否定したと国営ロシア通信(RIA)は報じた。ド イツ当局者が今週明らかにしたところによると、オーストラリアのブリ スベーンで15日から2日間の日程で行われるG20首脳会議で、シャドー バンキング(影の銀行)に対する規制などが協議される。

原題:European Stocks Fall Amid Bank Slide, Escalating Ukraine Tension(抜粋)

◎欧州債:アイルランド債続伸、利回り過去最低-ECB緩和策に期待

12日の欧州債市場ではアイルランド10年債が5営業日続伸し、利回 りは過去最低を付けた。欧州中央銀行(ECB)による追加緩和策への 期待が背景にある。

ドイツ国債のほか、ギリシャ国債も値上がりした。域内の鉱工業生 産が9月に持ち直したものの、ECBが追加措置を講じるとの見方を弱 めるには至らなかった。一方、イタリア国債は6営業日ぶりに下落。同 国は13日の国債入札で、2018年から30年に償還される債券を最大60億ユ ーロ発行する。

ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フ ォンメイレン氏は「総じてリスクオンの状況が恩恵をもたらしており、 アイルランドはファンダメンタル面で好調だ」とし、「ECBがやがて 追加措置を講じると見込まれており、これが需要を支えている」と発 言。「これまで講じられた措置は十分ではないと大方では見られてい る」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時15分現在、アイルランド10年債利回りは前日 比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.60%。一時 は1.577%と、ブルームバーグが1991年に集計を始めてからの最低を付 けた。同国債(表面利率3.4%、2024年3月償還)価格は0.17上 げ115.515。

ドイツ10年債利回りも2bp低下し0.81%、同年限のギリシャ国債 利回りは13bp低下の8.04%。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)の発表によれば、9月 のユーロ圏鉱工業生産指数は前月比0.6%上昇した。前月は1.4%低下だ った。

原題:Irish Bond Gains Push Yield to Record-Low on ECB Stimulus View(抜粋)

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