米財務長官:欧州は「失われた10年」回避へ断固たる措置を

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ルー米財務長官は欧州に「失われ た10年」を回避するため一段の措置を講じるよう呼び掛けた。欧州中央 銀行(ECB)の緩和策だけでは十分ではないと指摘した。

ルー長官は12日、シアトルでの講演で、「現状維持に甘んじる欧州 の政策では、力強く持続可能でバランスの取れた成長という20カ国・地 域(G20)の共通目標を達成できていない」と発言。「欧州がより深刻 な景気低迷に陥るリスクを軽減するために、各国当局や他の域内機関に よる断固たる措置が必要だ。欧州版失われた10年に世界は耐えられな い」と語った。

ルー長官の発言からは、今週オーストラリアのブリスベーンで開か れるG20首脳会議でも欧州問題が焦点となり、ユーロ圏当局者が再び批 判の的となることが予想される。金融安定理事会(FSB)議長として G20に参加するイングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁はこの 日、「妖怪が欧州を徘徊している。景気低迷という妖怪が」と語った。

ルー長官は内需拡大へ財政措置を講じ得る国としてドイツとオラン ダを名指しし、「インフラなどへの投資支出を拡大すれば経済の長期的 潜在力は高まろう」と指摘した。

長官は「米国が世界景気回復をけん引する」と世界は期待している が、他国が内需拡大の措置を講じれば世界の成長は一段と強固なものに なると述べた。

さらに「輸入国として米国に頼りきりでは世界経済の幅広い繁栄は あり得ない。また主要国の低成長を補うほどの高成長を米国に期待する のも無理な話だ」と指摘した。

「ECBの措置不十分」

長官は「ECBは緩和的な金融政策を通じ、景気下支えに向けた強 力な措置を講じてきた」と評価しながらも、「しかし、最近の景気動向 が示唆しているように、これだけでは健全な成長を回復するのに十分で はない」と述べた。

国際通貨基金(IMF)は先月、2015年の世界の経済成長見通しを 下方修正し、金融危機後に累積された債務が今も先進国に負担をかけて いると述べた。

ルー長官は日本の金融・財政刺激策は13年の力強い成長に貢献した と述べたうえで、構造改革に重点を置いたいわゆる「第3の矢」はまだ 完全に放たれていないと指摘。この矢が「日本経済を転換させる上で十 分なのか。その審判はまだ下されていない」と指摘した。

原題:Lew Calls on Europe to Work to Avert ‘Lost Decade’ of Growth (2)(抜粋)

--取材協力:Simon Kennedy.

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