日本株続伸、増税延期観測と円安-不動産や小売、輸出に買い

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東京株式相場は続伸。消費税率再引 き上げの延期観測と為替の円安進行を受け、景気の活性化、企業業績の 好転を見込む買いが優勢だった。不動産や小売など増税延期の恩恵業種 が高く、精密機器、ゴム製品など輸出関連株の一角も堅調。

TOPIXの終値は前日比1.84ポイント(0.1%)高の1377.05、日 経平均株価は72円94銭(0.4%)高の1万7197円5銭。両指数とも連日 で年初来高値。

ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「政治がチ ェンジする局面は株価が上がることが多い。その後の政策が前進する期 待が出ている」と言う。ただスケジュール上、「年末の予算や重要法案 が棚上げになる可能性があり、そこはリスク」とも話した。

ブルームバーグ・ニュースが与党関係者へ行った取材によると、消 費税率の10%への再引き上げは2017年4月まで延期される可能性があ る。また、安倍晋三首相が衆院を解散した場合、総選挙の投票日は12 月14日の方向で調整される見通し。共同通信は12日午後、首相は12月の 衆院選実施の意向を固め、自民、公明両党幹部に伝えたと報じた。12月 2日公示、14日投開票を軸にした選挙日程案も提示したとしている。

安倍首相の増税先送りと衆院の早期解散をめぐる観測を背景に、前 日の海外為替市場では一時1ドル=116円10銭と、2007年10月以来のド ル高・円安水準を付けた。

日経平均300円超高から失速

この日の日本株は続伸して始まり、午後の取引で日経平均は一 時319円高の1万7443円まで上げ幅を拡大。終盤は急速に伸び悩んだ。 SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、投資家の短期売買コストを示 す25日移動平均線からの上方乖離(かいり)率が大きく拡大した点に言 及。「300円高までいったのは勢い。上値の節がなくなっている」と し、いつ売り圧力が高まってもおかしくはないとの認識を示した。

きょうの高値時点の25日線からの乖離は、プラス10.7%と目先天井 圏を示すとされる10%を超えていた。また、今週末14日は株価指数オプ ション11月限の特別清算値(SQ)算出日で、これに絡む先物動向に振 らされやすい状況にもあった。日経225オプションの売買状況を見る と、出来高上位で1万7750円、1万8000円のコール(買う権利)が高 い。

東証1部33業種は不動産、空運、小売、精密、パルプ・紙、陸運、 その他金融、ゴム、サービス、化学など18業種が上昇。建設、海運、鉄 鋼、卸売、繊維、機械、石油・石炭製品など15業種は安い。東証1部の 売買高は31億2037万株、売買代金は3兆2704億円で、代金は4営業日ぶ りに3兆円台に乗せた。上昇銘柄数は555、下落は1190。

売買代金上位ではケネディクス、三井不動産、住友不動産、ホン ダ、三菱地所、楽天、オリックス、ブリヂストン、ヤフー、日本航空が 上昇。インフルエンザ治療薬のエボラ出血熱治療薬としての早期承認観 測で、富士フイルムホールディングスも高い。半面、富士重工業や三井 物産、ダイキン工業、NTT、熊谷組は下げた。

--取材協力:広川高史.

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