予想外の円急落にアナリスト当惑-オプション市場で一段安観測

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円相場はわずか数週間前の予想を超 えたスピードで急落し、アナリストを再び当惑させている。

安倍晋三首相が早期の衆院解散・総選挙を検討しているとの観測を 背景に円が11日に7年ぶりの安値を付けたことから、米シティグループ やバンク・オブ・アメリカ(BOA)のトレーダーは一段の円安方向に 予想を修正している。円は年初来で8.7%下落。安倍首相が20年にわた るデフレからの脱却を公約して就任した2012年12月以降では28%値下が りした。

ブルームバーグの集計データによると、オプション市場では、円が 現在の1ドル=約115円から年内に120円に下落する確率は31%に上 昇。10月30日時点では0.3%だった。翌31日には日銀が市場の意表を突 く形で追加金融緩和策を発表。年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF)は海外資産を買い増す方針を明らかにした。

シティグループのG10外為ストラテジー世界責任者のスティーブ ン・イングランダー氏(ニューヨーク在勤)は、解散・総選挙の可能性 をめぐる議論を市場は円相場にネガティブな要因と受け止めていると指 摘。「海外投資の誘因が根強く日本経済の不振が続く限り、下押し圧力 は持続する公算が大きい」と予想した。

円はニューヨーク時間11日午後5時(日本時間12日午前7時)現 在、0.8%安の115円78銭。一時は116円10銭と、2007年10月以来の安値 を付けた。

シティグループ証券外国為替本部の高島修チーフFXストラテジス トは11日の電子メールで、年内にドルが120円を試す展開になりそうだ との見方を示した。

総選挙と消費増税

安倍首相の支持率はここ数週間で低下したが、その分だけ野党の支 持率が上昇したわけではなく、世論調査は解散・総選挙後も安倍首相率 いる連立与党が政権を維持する見通しを示唆している。BNPパリバ は11日に電子メールで配布したリポートで、安倍首相が構造改革のため に必要な消費税再増税を先送りし、有権者の機嫌を取るなら円はさらに 下落する可能性があると予想した。

ストラテジストは実際の円安の進行に後れを取らないよう円相場見 通しを下方修正している。ブルームバーグが集計した50件余りの中央値 によれば、年末予想は111円と10月30日時点の109円よりも円安になって いる。BOAは今週、年末見通しを従来の108円から112円に引き下げ た。

INGグループの上級テクニカルアナリスト、ルロフヤン・ファン デンアッカー氏によれば、トレーディングパターンから見て、円相場は ストラテジストの予想よりもさらに円安になり、1月末までに121円50 銭を付けることもあり得るという。

原題:Yen Confounds Forecasters as Options Trading Shows Deeper Drop(抜粋)

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