ジェイテクト社長:円安進行1年遅かった、生産すでに海外へ

トヨタ自動車グループの部品メーカ ー、ジェイテクトの安形哲夫社長は最近の円安で、自動車業界で急速に 進んだ生産の海外シフトの流れが止まったとの見方を示した。円高時代 の終盤に移転のペースが加速したとし、円安転換の時期が1年遅かった ことが日本の貿易収支の回復にも影響していると述べた。

安形氏は11日の大阪市内でのインタビューで、1ドル=70円台に突 入した2011年ごろから日本の自動車や部品メーカーは、円高圧力に押し 出されるように生産を外へ出してきたと話した。その「潮の流れはやん だ」といい、積極的に日本の生産を閉めて海外に持っていく動きは同社 を含めて今では消えているという。

安形氏によると、円高時代の最後の1年間ぐらいに自動車や部品メ ーカーでは我慢の限界を超えて海外シフトを決断したケースが多かった と指摘。円安進行の時期が「1年遅かった」ために国内生産が失われて 円安でも想定されたほど輸出が増加せず、日本の貿易収支改善の遅れに つながったとの見方を示し、「切ないことだ」と話した。

安形氏は当時在籍していた豊田自動織機の例を上げ、それまで日本 でつくっていたコンプレッサーの構成部品の工場を米国に新設する判断 を下したと話した。豊田自動織機の資料によると、12年1月に米ジョー ジア州に3億5000万ドル(当時で約280億円)を投じて、カーエアコン 用コンプレッサーの部品生産会社の設立を発表している。ジェイテクト でも11年でインドとインドネシアで軸受などの工場新設を発表。それぞ れ約70億円と80億円を投資すると発表していた。

安形氏は国内市場の伸びが期待しにくい中、部品の国内生産は今後 も輸出を念頭に置くことになり、「どういう形でわれわれのバリューを つけていけるか」が課題となるといい、効率化による設備投資額の圧縮 などの取り組みを進めていきたいと話した。

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