ロック音楽が日の当たる場所に-新生イラン、変わる空気

公演が正式に許可されてから10カ月 の間に、イランのロック歌手アルダバン・アンザビプールさんは会場の 興奮をクールダウンする頃合いについて学んだ。

「観客はステージでの動きを期待しているが、度を超さないよう注 意しなければならない」。ロックバンド「サンダー」のリードボーカル を務めるアンザビプールさん(40)は10月に、アラブ首長国連邦 (UAE)のドバイで開かれた公演の前にそう語った。「これは挑戦 だ。われわれは会場を盛り上げるが、観客は動くことができない」。公 共の場で踊ることは禁止されているからだという。

穏健派のロウハニ大統領が昨年就任して以降、イランでは公演を許 可されるバンドの数が増加している。欧米音楽の演奏が水面下でのイベ ントに限定されるか、ほとんど行われていなかったイラン革命後の時代 の統制色は薄れつつある。ただ、依然として公共の場でのパフォーマン スは全てイランの宗教的権威者による許可が必要だ。

サンダーの女性ボーカリスト、サナム・パシャさん(36)は自身の イメージが適切に伝わるよう気を配っている。ヘッドスカーフとゆった りとした上着を身に着けるというイラン女性の服装規定を順守する必要 があり、出演の際にも情熱的だったり女性的魅力をアピールし過ぎては ならない。

「左右に体を揺らすだけでもリズムを付け過ぎると良くない。ほほ 笑まない方が望ましいことさえある。スカーフが滑り落ちないよう気遣 うのはエネルギーが要る」とパシャさんは語る。

アンザビプールさんは楽観的になるのは時期尚早だと考えている。 「唯一悲しいのはこの状態がいつまで続くか分からないということだ。 どれほどの自由をいつまで享受できるか分からない」と述べた。

原題:Rock Music Goes Mainstream in Rouhani’s Iran as Old Taboos Fade(抜粋)

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