英超富裕層夫婦の財産分与訴訟、ヘッジファンド運用者注目か

英国で最も成功を収めているヘッジ ファンド運用者の1人であるクリス・ホーン氏が妻との財産の分配をめ ぐる裁判で家族の資産の半分以上を手に入れることができれば、同国の 離婚法が改正される可能性がある。

ホーン氏と妻のジェイミー・クーパーホーンさん夫婦の財産13億ド ル(約1480億円)と、夫婦が資産を投じて設立した43億ドル規模の慈善 団体での2人の役割をめぐり、ジェニファー・ロバーツ判事は今週にも 判断を下す可能性がある。英国での離婚訴訟としては最大規模となる見 込みで、自身の金融に関する才能が結婚生活に特別な貢献をしたとする ホーン氏の主張を同判事が受け入れれば、超富裕層に適用される法律が 改正されるかもしれない。

法律事務所セドンズ(ロンドン)の家族法担当責任者、デボラ・ジ ェフ氏は電話インタビューで「ホーン氏の業績が極めて優れていること は間違いない。このケースでそれが特別な貢献要素でないとするなら、 他の例を思い付かない」と語る。

バンカーの離婚はこれまでも英国の家族法の広範囲にわたる改正に つながってきた。相続によって多額の資産を保有していたドイツ人女性 カトリン・ラドマシェルさんと米JPモルガン・チェースの元投資バン カー、ニコラス・グラナティノ氏との離婚が婚前契約書の採用につなが ったほか、別の同行バンカーのケースをきっかけにシビルパートナーシ ップ(法的に承認されたパートナーシップ関係)の財産分与に関する基 準が設定された。

ハードルは高く

ホーン氏が運用するヘッジファンド、ザ・チルドレンズ・インベス トメント・ファンド・マネジメント(TCI)の昨年1-10月のリター ンはプラス39.7%と、ブルームバーグ・マーケッツ誌の年間ヘッジファ ンドランキングで5位。運用資産10億ドル以上の欧州の大手ヘッジファ ンドの中では2位だった。

家族法の弁護士らによると、ホーン氏側の主張が通れば、富裕層の 夫婦の離婚訴訟の基準となる可能性がある。同氏側への分配増額へのハ ードルは依然として非常に高く、裁判所は妻や母親などの配偶者の役割 を軽く判断しようとしないため、例外的な判例はわずかだ。

法律事務所ウィンクワース・シャーウッド(ロンドン)のパートナ ー、エミリー・ブランド氏は電話インタビューで、ヘッジファンド運用 者らは「この裁判をかなり注目するだろう」と述べ、「婚前契約書や結 婚契約書について注意深く検討するはずだ。運用者らは配偶者に対し 『私はクリスのケースを知っているから、この契約書に署名した方がい い』と言うかもしれない」と指摘した。

原題:Money Changes Everything as Hohn Case May Alter U.K. Divorce Law(抜粋)

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