債券は下落、株高・円安や30年入札結果で売り-消費増税先送り観測も

更新日時

債券相場は下落。国内株式相場の上 昇や外国為替市場での円安進行に加え、30年債入札結果が市場予想を下 回ったことで売りが優勢となった。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は前日比2銭安の146円53銭 で取引を開始。いったんは横ばいの146円55銭に戻したが、直後から水 準を切り下げ、午後には一時146円18銭と、日中取引ベースで10月14日 以来の安値を付けた。終値は30銭安の146円25銭だった。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「円安・株高の 流れ自体は変わっていない」とし、政治面では消費税引き上げ延期も出 てきていると指摘。「外部環境だけみると、金利が普通は上がる」方向 だとし、「きょうは入札も重なり、相場が下げている」と付け加えた。

ただ、山下氏は、日本銀行の国債買い入れによる「需給引き締め効 果の方が大きい」とし、「無理してはショートする動きは少ない」とも 指摘。10年債の利回りは目先0.49%まで上昇余地があるものの、0.5% までは届かないとみる。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の335回債利回りは、前日午後3時時点の引値に比べて0.5ベー シスポイント(bp)高い0.46%で開始し、午後には一時0.485%と、10 月21日以来の水準に上昇した。

5年物の121回債利回りは2bp高い0.14%。20年物の150回債利回り は1.5bp高い1.245%。30年物の44回債利回りは横ばいの1.495%で始ま り、1.485%に低下する場面が見られたが、午後には1bp高い1.505%ま で上昇した。

株高・円安

11日の東京株式相場は午後に上げ幅を拡大し、TOPIXは一時前 日比1.4%高となった。日経平均株価は7年ぶりに終値で1万7000円台 を回復した。東京外為市場では、ドル・円相場が一時1ドル=115円35 銭と2営業日ぶりに115円台を回復。前日の海外市場では113円86銭まで 円高が進んでいた。

財務省がきょう実施した表面利率1.7%の30年利付国債(44回債) の入札結果によると、最低落札価格は104円35銭と事前の市場予想を5 銭下回った。小さければ好調なテール(落札価格の最低と平均の差) は14銭と前回の9銭から拡大。投資家需要の強弱を示す応札倍率は3.02 倍と2010年6月以来の低水準となった前回2.59倍から上昇した。

山下氏は、30年債の入札結果について、「あまり投資家の札は入ら ないだろうということでみんな見ていたと思うので想定範囲内」だと説 明。日銀の量的・質的金融緩和第2弾が始まったばかりで、居所を探る 中、「スティープする可能性というのもゼロではない」状況下で、 「1.5%アラウンドだとあまりニーズはない」と言う。

11日付の読売新聞は、2015年10月からの10%への消費税引き上げ延 期の場合、早ければ安倍晋三首相が外交日程を終えて帰国する17日から 数日以内に解散する方向で検討を始めたと報じた。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、消費増税先送りと国会 解散の観測が強まってきていることが重しだと指摘。「消費増税先送り はその国債需給への悪影響というよりも、リスク資産市場での好反応や 日銀追加緩和観測の後退につながる面で債券ネガティブに働きやすい」 と説明した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE