日本株は反落、円安一服と短期過熱を警戒-通信、輸出安い

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東京株式相場は反落。円安傾向の一 服や米国雇用統計の予想比下振れ、株価の短期過熱を警戒する売りが広 がった。通期業績計画を下方修正したNTTを中心に情報・通信株が下 げ、輸送用機器や精密機器など輸出関連株も軟調。

TOPIXの終値は前週末比3.56ポイント(0.3%)安の1360.11、 日経平均株価は99円85銭(0.6%)安の1万6780円53銭。

三菱UFJ投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは、 「為替が円高になり、米国の雇用統計もいまいち。急騰の後、需給整理 が必要な時期にきている」と指摘。通常大きく上昇した後は、チャート 上の窓を「いったん埋めにいくか、半分ほど埋めて再上昇するのが良く あるパターン」と言う。日経平均の場合、日本銀行の追加緩和があっ た10月31日高値(1万6533円)と11月4日安値(1万6720円)の間にギ ャップがある。

週明けのドル・円相場は、おおむね1ドル=114円10-50銭台で推 移。7日の東京株式市場の終値時点115円35銭に比べドル安・円高方向 に振れた。前週末に発表された10月の米雇用統計では、非農業部門雇用 者数の増加幅が前月比21万4000人と9カ月連続での20万人超となったも のの、市場予想は下回った。7日の米10年債利回りは9ベーシスポイン ト低下の2.30%と、10月1日以来の低下幅を記録していた。

岡三証券の平川昇二チーフエクイティストラテジストは、雇用統計 結果を受けた米金利の低下がきつかった点に言及。「マーケットにとっ てはあまり良い数字ではなかった。持ち上げる力が足りなかった、と嫌 気された」と言う。

また、前週末時点の日経平均の短期売買コストを示す25日移動平均 線に対する上方乖離(かいり)率は8.2%と、目先過熱を示す5%超と なっていたため、直近の日本株の買い材料だった円安が一服する中、売 り圧力も広がりやすかった。

好決算銘柄への評価支え、日中首脳会談

日経平均は朝方、一時167円安まで下げ幅を拡大。ただ、その後は 一進一退の動きが続き、朝方の安値を下回ることはなかった。直近急騰 時に買い遅れた向きの下値を拾う動きに加え、好決算銘柄への評価が下 支え要因となっている。

SMBC日興証券の調べによると、TOPIX500銘柄で7日まで に上期決算の発表を終えた比率は79.6%。2015年3月期経常利益計画を 上方修正した企業数は118社に対し、下方修正は53となっている。三菱 UFJ投信の石金氏は、「9月の短観の時に比べ円安がだいぶ進んでい るため、下期は為替の影響を織り込んでいくだろう。上場企業は国際展 開している企業が多く、そうした企業を中心に上方修正バイアスがかか りやすい」とみていた。

アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のため、北京を訪れて いる安倍晋三首相は日本時間きょう午後1時ごろから、2012年以来で初 めて中国との首脳会談に臨んだ。石金氏は、「関係悪化でビジネス環境 が悪くなっていた分が改善する期待はある。中国は景気も減速してきて おり、日本からの投資拡大は水面下でニーズが強いはず」と話す。

東証1部33業種は通信、医薬品、輸送用機器、電気・ガス、精密機 器、食料品、その他金融、その他製品、金属製品、機械など16業種が下 落。鉱業や鉄鋼、パルプ・紙、非鉄金属、海運、繊維、卸売など17業種 は高い。東証1部の売買高は20億5387万株、売買代金は2兆516億円。 上昇銘柄数は939、下落は781。

売買代金上位では、今期一転減益に業績計画を下方修正したNTT が下落。トヨタ自動車や三井物産、ファーストリテイリング、富士重工 業、ホンダ、ファナック、NTTドコモも売られた。エアバッグ不具合 の証拠隠滅に関する一部報道を受け、米上院議員が司法省に刑事捜査を 要求したタカタは急落。半面、上期連結営業利益が従来計画を上回った ディー・エヌ・エーが急騰。ソニーや三菱商事、新日鉄住金、グリー、 川崎汽船は上げた。

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