カリブの海賊がバンカーの節税の手伝い-仕掛け人はレビー氏

顧客から預かった100億ドル(約1 兆1500億円)近い資金を映画に投資したわりには、ティム・レビー氏の 映画そのものへの関心は低い。

ロンドンのメイフェア地区にある同氏のオフィスには映画に関係の ある小物など何も置かれていない。出資した映画の一部は「駄作」だっ たと述べた同氏だが、そのほかについてはなかなか思い出せないようだ った。

映画はレビー氏(45)にとって、バンカーやヘッジファンドのトレ ーダー、スポーツ界の著名人などから成る顧客たちに節税というサービ スを売るための道具なのだ。

英国の映画産業の振興を目指して導入された控除制度だが、英政府 はこれが悪用されていると考え、税金を取り返そうとしている。しかし レビー氏は何も法を犯していないと言う。

ジャマイカ生まれの同氏は5月から11月までにインタビューや電話 インタビューに応じたり電子メールの質問に答えてきた。「税金は道徳 性とは何の関係もない。私は起業家であり、事業を作り上げようとして きただけだ」と語った。

同氏の投資会社、フューチャー・キャピタル・パートナーズはレバ レッジと会計の魔法を使って映画配給ビジネスを節税につなげる。同社 は米ウォルト・ディズニーと「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリー ズの2作品などについて契約しパートナーシップを設立。これにバンカ ーやトレーダーが出資し、税控除が受けられる仕組みだ。

しかし英歳入関税庁(HMRC)は、控除を認めた税法が1997年当 初の目的に沿っていないと主張し訴訟を起こしている。レビー氏のパー トナーシップの少なくとも12社が民事訴訟の被告とされていると、同氏 が2012年12月の議会委員会での証言で述べていた。

その一つがエクリプス・フィルム・パートナーズ35。設立当時の出 資者289人には元ゴールドマン・サックス・グループの石油トレーディ ング責任者、カール・ロビジンス氏や、スイスのUBSのグローバル M&A(企業の合併・買収)担当会長のピエロ・ノベリ氏、シティグル ープの欧州幹部、アイリク・ウィンター氏に加え何十人もの若手バンカ ーやトレーダー、運用者が含まれていた。英国会社登記所への6月2日 の届け出が示している。

エクリプス35は昨年12月に裁判に敗れたが、現在上訴している。敗 訴が決まればパートナーたちは恐らく、出資しなかった場合を上回る額 の税金を支払うことになるだろうと、財務省副大臣のデービッド・ガウ キ議員が述べていた。

原題:How Captain Jack Sparrow and Tim Levy Helped Cut Bankers’ Taxes(抜粋)

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