債券は上昇、米金利低下や日本株安・円一段高で-需給逼迫感も根強い

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債券相場は上昇。前週末に米金利 が低下した流れを引き継いだほか、日本株安や円一段高に加え、日本銀 行による国債買い入れオペ実施もあり、買い圧力がかかった。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は前週末比10銭高の146円49 銭で取引を開始。午後の取引開始後に一段と水準を切り上げ、25銭高 の146円64銭と日中取引ベースで3営業日ぶりの高値を付け、結局は16 銭高の146円55銭で引けた。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の335回債利回りは前週末午後3時時点の引値に比べて1ベー シスポイント(bp)低い0.46%で開始。午後は0.45%まで水準を切り下げ た。20年物の150回債利回りは一時2.5bp低い1.225%、30年物の44回債 利回りは3bp低い1.49%までそれぞれ下げた。

JPモルガン証券の山下悠也債券ストラテジストは、米雇用統計の 内容自体はそんなに悲観するほどではなかったとしながらも、「平均時 給が弱くて、インフレ圧力がない感じだったので、焦って金利上昇を見 込む必要もない」と指摘。前週末の米金利の大幅低下に加え、円高・日 本株安の展開となっていることを受けて、債券相場が堅調に推移してい ると説明している。

7日の米国債相場は上昇。10年債利回りは前日比9bp低下の2.30% 程度となった。10月の米雇用者数の伸びが市場予想を下回り、早期利上 げ観測につながらなかったことが背景となった。

この日の東京株式相場は反落。TOPIXは前週末比0.3%安 の1360.11で引けた。日経平均株価は下げ幅が100円を超える場面も見ら れた。外国為替市場ではドル・円相場が7日に一時1ドル=115円59銭 と、2007年11月以来のドル高値を付けた後は下落に転じ、東京時間には 一時113円96銭と、3営業日ぶりの水準までドル安・円高が進んだ。

需給逼迫感根強い

日銀が実施した長期国債買い入れオペ3本(総額1兆5000億円程 度)の結果によると、残存期間1年超3年以下と3年超5年以下の応札 倍率は前回から上昇した。一方、5年超10年以下は低下した。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、日銀オペについて は、週内には「量が増額されている日銀の買いオペが3回入るというこ とで、需給面からのサポートが非常に強くある」とみる。

あす11日には、30年利付国債入札が実施される。今回は44回債と銘 柄統合するリオープン発行となり、表面利率(クーポン)は1.7%に据 え置かれる見込み。発行額は6000億円程度。

メリルリンチ日本証券の大﨑秀一債券ストラテジストは、超長期ゾ ーンは増発懸念がくすぶるものの、需給逼迫(ひっぱく)によって金利 上昇は限定的だとし、「生保勢がいずれ買わざるを得ない公算」だと指 摘。ただ、「入札結果が弱いとボラティリティ上昇、追加緩和後に日々 の値動き大きく、一部で金利上昇を待って買いたい意向も強まりそう」 とも言う。

--取材協力:赤間信行.

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