【今週の債券】長期金利0.4%台下限試す、需給良好でブルフラット化

今週の債券市場で長期金利は0.4% 台で低下余地を探ると予想されている。日本銀行の追加金融緩和を受け た需給環境の良好さから利回り曲線がブルフラット(平たん)化すると の見方が背景にある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが7日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジ は、全体で0.42-0.52%となった。10月31日には日銀の追加金融緩和を 受けて0.435%と昨年4月以来の低水準まで達したが、その後は上昇基 調となり、前週には一時0.48%と2週間ぶり高水準を付けた。

SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは、日銀 追加緩和後の円金利の変動は、昨年4月の異次元緩和後と比べて似通っ ている部分も多いとしながらも、銀行のロングポジションの少なさなど が違うとし、「今回ははるかにマイルド」だと指摘。「フリーフォール 的な通貨安がなければ、日本国債市場は需給主導のブルフラット化トレ ンドに徐々に入っていくだろう」と言う。

11日に30年利付国債入札が実施される。今回は44回債と銘柄統合す るリオープン発行となり、表面利率(クーポン)は1.7%に据え置かれ る見込み。発行額は6000億円程度。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は、「超長期ゾーンでは日銀の買い入れ積み増しを受けて需給が大きく 変わっていくとみており、ブルフラット圧力が高まっていく可能性は高 い。結果として生命保険などの機関投資家は海外資産へのシフトが促さ れるのではないか」と話した。

5年債入札

13日には5年利付国債入札が予定されている。前回入札された5年 物の121回債利回りは7日に0.125%で取引されており、クーポンは前回 債と横ばいの0.1%となる見込み。発行額は2兆7000億円程度。

市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先物は中心限月の12 月物、10年国債利回りは新発物の335回債。

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物12月物146円10銭-146円80銭

10年国債利回り=0.43%-0.50%

「相場の振れが落ち着くにつれて金利は徐々に低下していく。日銀 が入念な買い入れ計画を進めていることが市場の安定材料になる。これ まで以上に大規模な買い入れを進めているために需給要因が一段と大き くなり、米国金利の上昇や円安に対して相場が振らされる可能性は低く なった。追加緩和後に値動きが激しかった30年債の入札も無難に通過す るとみている。超長期ゾーンでは日銀の買い入れ積み増しを受けて需給 が大きく変わっていくとみており、ブルフラット圧力が高まっていく可 能性は高い。結果として生保などの機関投資家は海外資産へのシフトが 促されるのではないか」

◎ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジスト

先物12月物146円00銭-146円80銭

10年国債利回り=0.42%-0.52%

「先週の続きで利回り曲線のフラットニングが進む中、適正なスプ レッド水準を探していく展開が見込まれる。今週は30年債と5年債の入 札が予定されているが、日銀が買い入れを増額しており、無難に消化さ れそうだ。入札日の相場は重く、軟調になりやすいが、翌日の買い入れ オペに向けて強くなるということの繰り返しではないか。30年債入札を 順調にこなすと、フラットニング余地を試す展開になるとみている」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー

先物12月物146円20銭-146円70銭

10年国債利回り=0.44%-0.49%

「中期と超長期セクターの需給が一段と逼迫(ひっぱく)する 中、10年債利回りも低下するとの見立ては自然だろう。米雇用統計など 海外の注目イベントを通過することで投資家の動きも徐々に出てこよ う。一方、30年債入札はやや警戒。入札で相場が大きく崩れるとは見て いないが、ドル高・円安など外部環境の影響を受けやすく、今後の増発 リスクや積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の売りなども気掛か りだ」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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