ドル一時114円割れ、イベント通過で急激なドル高・円安の反動

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東京外国為替市場ではドル売り・円 買いが優勢。米雇用統計など一連のイベント通過で材料出尽くし感が広 がる中、先週までの急激なドル高・円安に対する反動の動きが続いた。

ドル・円相場は1ドル=114円台半ばから一時113円96銭と3営業日 ぶりの113円台まで下落。午後3時15分現在は114円13銭前後となってい る。前週末の海外市場では115円59銭と2007年11月以来の水準までドル 高・円安が進んだが、米雇用統計後は米金利の低下を背景にドル売り・ 円買いが活発となり、週明けの東京市場もこの流れを引き継いだ。

CMCマーケッツのストラテジスト、デズモンド・チュア氏(シン ガポール在勤)は、「期待外れの米雇用統計により、市場、特にアジア の投資家はドルの強さから利食う機会をもらった」と指摘。「私は依 然、ドルに強気だ。値固めの状態というのは健全だ」と語った。

ユーロ・円相場は1ユーロ=142円台後半から一時142円29銭まで円 買いが進行。一方、ユーロ・ドル相場は前週末に1ユーロ=1.2358ドル と12年8月以来のドル高値を更新した後、1.24ドル台後半までドル安が 進み、この日の東京市場では一時1.2489ドルまでドルが売られた。

米雇用統計通過で調整

米労働省が7日発表した10月の雇用統計では、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)が前月比21万4000人増加と9カ月連続 で20万人超の伸びとなったが、市場予想には届かず、平均賃金も予想を 下回った。失業率は5.8%と6年ぶり低水準となった。

上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉氏は、米雇用統計は雇用 の改善が順調なことを示したが、賃金の伸びが小幅にとどまり、「利上 げを急ぎたくないFRB(米連邦準備制度理事会)にとっては好都合な 結果となった」と指摘。その上で、足元では米雇用統計までの材料が出 たことで、「日銀の追加緩和から始まった円の大幅安の流れが一服す る」とし、この日発表の米労働市場情勢指数が小幅な上昇にとどまれ ば、「週前半はドルの上値も重くなる」と予想した。

米雇用統計の結果を受け、7日の米国債相場は上昇(利回りは低 下)。米国株は小幅高となり、S&P500種株価指数とダウ工業株30種 平均が最高値を更新した。一方、週明けの東京株式相場は反落してい る。

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、直近のドル・ 円の上昇のスピード、水準に対する「警戒感がかなり強い」とし、引き 続きトレンドはドル高・円安方向であるものの、「多少の調整や大幅な 円安が経済にもたらす影響の見極めなどはある程度必要」と指摘。「き ょうは114円ぐらいだが、来週にかけて112円ぐらいまで落ちてもおかし くないと思う」と話した。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉報告によると、ヘッジフ ァンドなど大口投機家の対ドルでの円の売り越し枚数は4日時点で7 万1651枚となり、前週の6万7339枚から拡大した。また、ユーロの売り 越し枚数は17万9021枚と12年6月以来の高水準となった。

--取材協力:Netty Ismail.

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