米国債(7日):上昇、雇用者数や賃金の伸びが予想下回る

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米国債相場は上昇。10月の雇用者数 の伸びが市場予想を下回ったことで、金融当局が低金利をより長期間維 持するとの観測が強まった。

米労働省が発表した10月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は21 万4000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の平均は23 万5000人増だった。平均時給は前年比で前月と同率の伸びとなり、市場 予想を下回った。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、 欧州中央銀行(ECB)の政策当局者らに対し、デフレ回避に向けあら ゆる措置を講じる必要があるとの認識を示した。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は「きょうの雇用統計での暗い部分が、図らずも最も重要 な部分となった。賃金が伸びなかったことだ」と指摘。「インフレの欠 如が金融当局や市場のより大きな問題になりつつある。弱い賃金データ を受け、市場では来年にかけてインフレが著しく落ち込む恐れがあると の懸念が生じている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比9ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.30%。これは10月1日以来 の大幅な下げ。週間では4bp低下となった。同年債(表面利 率2.375%、2024年8月償還)価格は3/4上げて100 21/32。

30年債利回りは8bp低下の3.03%。週間では4bp下げた。

雇用統計

米国債のボラティリティを測るバンク・オブ・アメリカ(BOA) メリルリンチのMOVE指数は66.6bpと、10月9日以来の水準に低 下。前日は69.2bpだった。年初来の平均は61.2bp。

ナショナル・アライアンス・キャピタル・マーケッツのアンドル ー・ブレナー氏は雇用者数の伸びについて、「予想と比べて十分ではな かった」と指摘した。

労働省の発表によれば、9月の雇用者数の伸びは25万6000人に上方 修正された。10月の失業率は5.8%と、前月の5.9%から低下した。

平均時給は前年比2%増と、9月と同率の伸び。市場予想(2.1% 増)を下回った。

インフレ動向

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は「米経済はなお順調な軌道にある。ただ今回の雇用統計は特別 素晴らしい内容ではない」と指摘。「労働市場全般で、このところの改 善トレンドが継続している。ただ賃金の実質的な上昇は見られていな い。賃金に起因するインフレ圧力がない状況では、利回りの上昇余地は 限定的だ」と分析した。

米国の実質国内総生産(GDP)は7-9月(第3四半期)に前期 比年率3.5%増となったものの、インフレ率は低い状態が続いている。

金融当局がインフレ目標の基準とする個人消費支出(PCE)総合 価格指数は2年以上にわたり当局の目標である2%を下回っている。9 月は前年比1.4%上昇だった。

イエレンFRB議長はこの日、パリで開かれたフランス銀行(中 銀)主催のイベントで講演し、「中銀は、経済成長支援そしてインフレ 目標達成のため、非伝統的政策も含めた利用可能なあらゆる措置を講じ る準備をする必要がある」と述べた。欧州中央銀行(ECB)の政策当 局者の間では、景気浮揚に向けて取り組む中で債券購入の度合いをめぐ り意見が割れているもようだ。

原題:Treasuries Climb as U.S. Report on Employment Trails Forecasts(抜粋)

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