タカタは財務悪化、市場から厳しい目-終息感なきエアバッグ

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エアバッグ不具合による大規模な自 動車リコールの渦中にあるタカタの財務内容が悪化している。問題の終 息が見通せない中、株価は下落、社債スプレッドも拡大しており、市場 が迅速な対応を迫っている格好だ。

タカタの6日の決算資料によると、リコール対応などによる特別損 失増大を受けて今期(2015年3月期)は純損益を下方修正、赤字額 が250億円に拡大した。

翌7日には同社が04年にエアバッグの破裂が伝えられた後、回収し た50のエアバッグをテストし、検査技師にテストデータの除去などを指 示していたとの元従業員2人の発言をニューヨーク・タイムズ紙が報じ る中、前日比7.3%安で引けた。タカタ株は7日終値で1416円となり、 年初来で53%の下落となっている。

決算資料によると、営業活動によるキャッシュフローは3月末 の306億円のプラスから、9月末に30億円のマイナスに転じている。ブ ルームバーグ・データによると、同社の社債スプレッドは、国内企業が 過去2年間に発行したものの中で最も大きくなっている。

リコール対象が今後拡大すれば、財務内容はさらに悪化する懸念が ある。同社は決算短信で、計上済みの製品保証引当金以上の負担の有無 やその額について予測することはできないと注記していた。

メリルリンチ日本証券の上田祐介チーフクレジットストラテジスト は、タカタの財務内容が3-5年は悪化するとの見方が市場のコンセン サスと指摘。米国では罰金などの費用が膨らむ潜在的なリスクが高いと みており、自動車メーカーが次期モデルでタカタ製品の採用を見送り、 市場シェアを失う恐れがあるという。

タカタの佐野仁氏経営企画本部IR部バイスプレジデントは、予測 不能といっても、お金が出ていっているわけではなく、今のところ通常 の借り入れベースの範囲内で回っているとした上で、増資やリストラの 話はなく、研究開発や設備投資も計画通り進められていると電子メール での取材に回答した。

一方、タカタは今期の中間配当を無配とした。前年同期は15円(年 間30円)で中間配がなくなるのは8年ぶり。現預金と有価証券は、9月 末で計894億円と、3月末に比べ188億円の減少。8月の決算資料では、 今期に設備投資280億円、研究開発費260億円を計画していた。

発行時のほほ15倍

タカタは3月に7年満期の社債を発行。その利回りのプレミアムは 6日時点で350ベーシスポイント(bp)に上昇し、発行時の24bpからほ ぼ15倍となった。

米国ではタカタ製エアバッグ関連の自動車リコール問題で、運輸省 道路交通安全局(NHTSA)が10月下旬に部品交換の速やかな対応が 必要とする台数を780万台へ引き上げた。

NHTSAは10月30日、タカタに対してエアバッグ問題に関して36 項目の質問に答えるよう命じ、応じない場合は3500万ドル(約38億2700 万円)の罰金に処すとした。12月1日までに要求に応じるよう求めてい る。

エアバッグ問題をめぐっては、米国では、消費者による損害賠請請 求訴訟も提起されている。

--取材協力:Finbarr Flynn.

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