アジア為替市場で勝ち負け鮮明に-日銀追加緩和で介入必至か

日本銀行の黒田東彦総裁が一段の金 融緩和に踏み込んだことで、アジア通貨市場で勝ち組と負け組がはっき りしそうだ。

INGグループとウエストパック銀行は韓国のウォンと台湾ドルが 値下がりすると見込む。黒田総裁の追加緩和が円安を招いており、その 影響を打ち消すため韓国や台湾の当局が介入するだろうと分析する。一 方で、高利回りを求める資金が日本から流れ込みインドネシア・ルピア とインド・ルピーは上昇すると予想する。

日銀が10月31日発表した予想外の緩和拡大で、為替市場の二極化が 鮮明になりつつある。エレクトロニクス製品や船舶、自動車の輸出で日 本と競合する韓国は、日銀緩和の影響を最も受けやすい。台湾は半導体 の受託生産で世界一で、ノートパソコンの生産でも際立っている。

INGのアジア調査責任者、ティム・コンドン氏(シンガポール在 勤)は6日の電話インタビューで、「韓国の製造業は日本と非常に多く の部分で重なるため、ウォンへの影響が最も大きい。韓国に次ぐのが、 同じ理由で台湾だ」と述べた。

ウエストパック銀のストラテジスト、ジョナサン・キャベナー氏 (シンガポール在勤)は6日の電子メールで、「円安は確実にリスク だ」と指摘。円相場が韓国と台湾の競争力を脅かしており、企業の「利 益見通しを曇らせている。介入が実施される公算が大きい」とコメント した。

韓国銀行(中央銀行)は3日、弱い円が輸出と金融の安定に与える 影響を注視するとの声明を発表。台湾の中銀で外為を担当するハリー・ イェン氏は6日の電話インタビューで、行き過ぎたボラティリティ(変 動性)は抑制すると述べた。

利回り

一方、アジアで投資適格級の格付けを得ている国の中で、債券利回 りが最高水準にあるインドとインドネシアは投資家を引き付けている。 両国では資金流入で金利が少なくとも半年ぶりの低水準となっているも のの、10年債利回りは依然として共に約8%だ。これに対し韓国は 約2.5%、日本に至っては0.5%未満だ。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のストラジス ト、アイリーン・チュン氏(シンガポール在勤)は4日の電話インタビ ューで、「新政権と改革。これがインドとインドネシアのテーマだ」と 語った。

原題:Kuroda’s Stimulus Makes Won a Loser, Rupee a Winner: Currencies(抜粋)

--取材協力:Justina Lee、Ye Xie.

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