国内企業は過去最高益へ、黒田日銀の追加緩和-トヨタなど

国内企業は進行する円安により海外 収益を押し上げており、トヨタ自動車やファーストリテイリングを含め て、過去最高益を達成しそうだ。

日経平均株価の構成銘柄のうちアナリスト予想が比較可能な195社 をみると、合計の今期純利益は前期比10%増で過去最高の17兆5000億円 になる見通し。5日に決算を発表したトヨタは、市場予想を追認する格 好で、純利益予想を過去最高となる2兆円に上方修正した。

決算発表シーズンが終わりに近づき、輸出企業が日本銀行の追加緩 和策の恩恵を受ける形が明らかになっている。また投資家も、実質賃金 が減少したり個人消費の回復が遅れる中、日経平均株価が5日に2007年 以来の高値を付けており、追加緩和のこれまでの受益者だ。

UBS証券のストラテジスト、大川智宏氏は決算発表でのドル円為 替の影響について「企業側の前提が100円ほどだったのに104-105円で 来たので、ある程度サプライズ的に収益を押し上げた」と話す。ただ、 実体経済を見ると「金融政策だけではもはや限界」で、追加緩和により 「何か構造的に変わったわけではない」という。

6日の東京外国為替市場では円が対ドルで一時、115円52銭と2007 年11月以来の水準となった。日銀黒田東彦総裁は先週末、国債保有残高 の増加ペースを年30兆円増やして 80兆円とするなどの追加の金融緩和 策を発表した

トヨタ、ユニクロ

トヨタは決算発表で、今期為替前提を1ドル=104円とし、従来比 3円の円安方向に修正したことを明らかにした。同社では対ドルで1円 の変動で営業利益が400億円増減する。一方でグループ世界販売計画を 小売りベースで従来の1025万台から1010万台に引き下げた。主因となっ た国内販売の低迷について、小平信因副社長は「国内市場が底を打った か、そこまで確信は持てない」と述べた。

アジア最大のアパレルチェーン、ファーストリテイリングは先月9 日の決算発表で今期(15年8月期)の純利益見通しを前期比34%増 の1000億円に上方修正したが、市場予想では1085億円を見込む。ブルー ムバーグの集計データによると、市場予想に到達すれば過去最高益とな る。柳井正会長兼社長は「海外ユニクロ事業の成長をさらに加速させて いきたい」と話しており、今期の設備投資の半分以上を割り当てる。

一方、原材料を輸入で調達する企業にとって円安は逆風だ。日本マ クドナルドホールディングスの今村朗財務本部執行役員は「円安は非常 にネガティブ」と6日の決算会見で話した。来年の計画を策定する中で 1ドル=110円程度を想定しており、「それが1円円安に振れると利益 で1億円くらいのインパクトを考えている」と述べ、為替ヘッジの他、 コストを切り詰めるなどの対策を取ることを明らかにした。

--取材協力:Rin Ichino.

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