日本株反発、米統計とECB示唆で景気不安後退-内外需買い

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東京株式相場は反発。米国の失業保 険申請件数の減少や欧州中央銀行(ECB)の追加緩和示唆を受け、世 界景気の先行き不安が後退した。機械や精密機器など輸出関連、商社と いった海外景気敏感業種が上昇。地銀の再編観測から銀行も堅調、業績 や株主還元への期待で電気・ガス株は業種別上昇率の1位だった。

TOPIXの終値は前日比7.32ポイント(0.5%)高の1363.67、日 経平均株価は87円90銭(0.5%)高の1万6880円38銭。

富国生命保険の山田一郎株式部長は、「米国景気は他の地域と違っ て全般的に強い」とした上で、「一番確信をもって言えるのは、為替は 円安方向ということ。円安がマイナスになる日本企業もあるが、マクロ で考えると恩恵を受けるところが多い」と話した。

米労働省が6日に発表した先週の新規失業保険申請件数は、前週比 1万件減少の27万8000件とエコノミスト予想の28万5000件に対し改善し た。変動がより少ない4週移動平均は、27万9000件と2000年4月以来の 低水準。7日に発表される10月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数 の増加幅が年初来の平均を上回る23万5000人と予想されている。

「米国の雇用が良いということは景気が良く、企業業績の支えから 株式市場の緩やかな上昇が続きやすいことを意味する」と、野村証券投 資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは言う。

一方、ECBは6日、短期金利の調節手段である短期買いオペの最 低応札金利を0.05%で据え置き、中銀預金金利と限界貸出金利もマイナ ス0.2%と0.3%を維持した。ただ、ドラギ総裁は会見で、必要になった 時点で景気刺激措置を強化することが可能だと言及。ECBの措置で、 バランスシートが3兆ユーロ(約430兆円)規模に膨張する可能性にも 触れた。

6日の米S&P500種株価指数が最高値、米10年債利回りも上昇し た中で、この日のドル・円相場は1ドル=115円40銭台まであり、前日 の東京株式市場の終値時点114円28銭に比べ円安水準で推移した。

海外勢買い復調

松井証券の窪田朋一郎マーケットアナリストは、欧州発の世界景気 悪化懸念が避けられるのではないか、との見方が広がっており、朝方の 対外・対内証券売買契約等一覧表で、「海外勢の買いが戻ってきている ことも支援材料」とみていた。財務省が朝方発表した対外・対内証券売 買契約等一覧表によると、先週(11月1日まで)の外国人による対内証 券投資は9047億円と2週連続で買い越した。

もっとも、日経平均は今週節目の1万7000円に乗せた達成感、チャ ート分析からみた短期過熱感もあり、上値も重かった。東証1部売買代 金は5営業日ぶりの3兆円割れで、日本銀行の追加緩和後では最低だっ た。窪田氏は、「10月の米雇用統計は9月の大幅増の反動やエボラ出血 熱から足踏みする可能性がある。発表前にポジション(持ち高)を落と す向きもある」としていた。

東証1部33業種は電気・ガス、ガラス・土石製品、機械、パルプ・ 紙、卸売、精密、銀行など26業種が上昇。上昇率トップの電気・ガスで は、6日に開かれた中部電力の説明会内容についてみずほ証券が解説。 会社側が復配は株式市場の期待に応えるよう検討していきたいとしたほ か、東京電力との包括アライアンスは燃料調達面での競争力強化に資す るとの考えが示されたという。鹿児島県知事が川内原子力発電所の再稼 働に同意した、と共同通信が報じた九州電力も買われた。その他製品、 その他金融、保険など7業種は安い。

売買代金上位ではパナソニック、リクルートホールディングス、三 井物産、クボタ、ヤマハ発動機、ディスコ、中部電などが上昇。富士重 工業やバンダイナムコホールディングス、野村証券が投資判断を下げた スズキは売られた。東証1部の売買高は24億8834万株、売買代金は2 兆4764億円。値上がり銘柄数は1111、値下がりは617。

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