ドラギ総裁、ECB内の対立否定-必要時の追加策に全員賛成

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欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁は6日、必要になった時点でECBの景気刺激措置を強化することが 可能だと強調。政策委員会の支持を得ないで総裁が行動しているとの観 測を退けた。

政策決定後の記者会見でドラギ総裁は、自身の運営スタイルおよび 政策委員会内に総裁に反対するグループがあるかどうかについての質問 に対し、政策当局者らは全員、追加策を講じることに原則的に賛成して いると強調した。総裁はまた、ECBの措置によってバランスシートが 3兆ユーロ(約430兆円)規模に膨張する可能性に言及した。

ドラギ総裁は、ECBが講じることのできる具体的措置について意 見が割れる政策委員会をまとめようとしている。量的緩和(QE)型の 資産購入が適切か、また必要かどうかについてECBが数カ月にわたり 議論し合意点を見つけようとする間に、ユーロ圏経済の先行きに関する 悲観論は強まった。

総裁は、ECBの指導層は「ユーロ圏の中銀システム内の関連の委 員会に、必要な場合に実行する追加措置の時宜を得た準備を指示した」 と述べた。この内容を含め総裁会見冒頭で読み上げた文書には「政策委 員会全員が署名した」と続けた。

ロイター通信は4日、一部の政策委員会メンバーが5日の夕食会で ドラギ総裁の運営スタイルについて抗議する計画だと報じていた。マー ケット・ニュース・インターナショナルの6日の報道によれば、抗議を したメンバーはいなかった。

バランスシートに相当の影響

条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)やカバード債の購 入など今年発表済みの措置がECBの「バランスシートに相当の影響を 及ぼし、バランスシートは2012年初めごろの規模へと近づくと考えてい る」とドラギ総裁は述べた。「それによって、これらの措置は金融政策 姿勢をより幅広く緩和することになる」と続けた。総裁は後で、「2012 年初めごろ」は同年3月を指したものだと説明した。

ECBのバランスシートは同時期に比べ1兆ユーロ程度縮小してい る。総裁は発表済みの措置による「バランスシートへの影響は十分に大 きく、相当のものになるとわれわれは確信している」と語った。

ノルデア銀行の債券アナリスト、ヤン・フォンゲリッヒ氏は「今ま でに発表された措置でECBのバランスシートを目標通りに膨張させら れるというドラギ総裁の楽観をわれわれは共有しない。目標近くまで膨 らませるのすら無理ではないか」とし、「従って、12月に早くも購入拡 大が発表される確率の方が高いようにみえる。少なくとも投資適格級社 債、場合によってはエージェンシー債や国際機関の債券にも拡大される のではないか」と語った。

見通し下方修正か

景気については、ECBの経済予測が下方修正されることを示唆す る複数の兆候があると述べた。最新見通しは12月に発表される。

総裁は「ユーロ圏景気の先行きをめぐるリスクは引き続き下向き だ」とも言明。「ユーロ圏景気の勢いの弱まりと地政学的リスクの高ま りが信頼感を損ない、特に民間部門の投資に悪影響を及ぼす可能性はあ る。また、ユーロ圏諸国の構造改革が十分に進まないことが経済見通し への無視できない下振れリスクだ」と分析した。

18人の各国中銀総裁と6人の理事会メンバーから成る政策委員会内 に複数の「同盟」が生まれていることはないと総裁は述べ、意見対立が 重大なものではないことを印象付けた。「物事について異なる意見があ るのは極めて正常なことだ」とし、米国と英国、日本でも政策決定で意 見が割れたことを指摘。「正常な多様性を示すものだ」と述べた。

原題:Draghi Plays Down ECB Rift as Officials Study More Stimulus (2)(抜粋)

--取材協力:Catherine Bosley、Scott Hamilton、Jennifer Ryan、Stefan Riecher、Jana Randow、Paul Gordon.

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