債券は下落、米雇用統計警戒や株高重し-現物債の買いで一時上昇場面

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債券相場は下落。今晩発表される米 国雇用統計への警戒感に加えて、株式相場が堅調に推移したことや円安 基調が売り材料となった。一方、午後に入ると現物債への買いで先物相 場が上昇に転じる場面もあった。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は前日比9銭安の146円38銭 で開始し、午後に入ると18銭安の146円29銭まで下落した。その後は水 準を切り上げ、一時は4銭高の146円51銭まで上昇。再び下げに転じ て、終値は8銭安の146円38銭だった。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、米雇用統計を控 え、全般的に様子見姿勢が強いと指摘。「超長期ゾーンでは来週の30年 債入札が視野に入り、1.5%に近づくと利食いの売りも出ているよう だ。追加緩和後の株高・円安が債券市場に逆風となっているのは確か で、来週も円安進行への警戒は続くので、上値の重い展開になりそう だ」と話した。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の335回債利回りは前日3時時点の引け値に比べ1ベーシスポ イント(bp)高い0.475%で始まり、午前は同水準で推移。午後に入る と0.48%まで上昇。一時に0.465%まで戻したが、再び0.48%を付け た。

20年物の150回債利回りは一時1bp高い1.26%と、10月31日以来の 水準まで上昇した後、1.24%に低下。その後は1.25%を付けた。30年物 の44回債利回りは2bp高い1.54%と10月31日以来の高水準を付けた後 は1.51%まで下げた。午後3時前後からは1.52%で推移した。

財務省がきょう実施した流動性供給入札(発行額3000億円)の結果 によると、募入最大利回り較差がプラス0.011%、募入平均利回り較差 がプラス0.009%となった。投資家需要の強弱を示す応札倍率は3.17倍 と前回の3.79倍から低下した。

7日発表の10月の米雇用統計について、ブルームバーグがまとめた 市場予想調査によると、非農業部門雇用者数は前月比23万5000人増(中 央値)が見込まれている。失業率は前月と同じ6年ぶり低水準を維持す ると予想されている。

岡三証の鈴木氏は、「日銀の買い入れオペに支えられ、下値不安も 小さい。米雇用統計でも失業率より賃金や雇用の質が焦点となってお り、大恐慌の教訓も意識される中、どのみち拙速な利上げは考えにく い。結果が良かった場合でも、週明けの国内債券市場に悪影響を及ぼす 可能性は低いだろう」と述べた。

きょうの東京株式相場は上昇。TOPIXは前日比0.5%高 の1363.67で引けた。外国為替市場で円は一時1ドル=115円台半ばまで 下落した。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「円安がどこま で進むか分からない中で、米雇用統計発表を控えており、為替の居所が 変わる可能性がある以上は見極めてから動く必要がある。きょうは流動 性供給入札もあり、国債入札の日は重くなる」と話した。

--取材協力:船曳三郎.

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