米中間選挙後の市場、「危険な場面」に身構えるアナリストも

4日夜に大勢が判明した米中間選挙 の結果を受けて、大方の市場関係者らは何ら警戒するべき理由はないと の見方で一致しているようだ。一夜明けて米国株式市場が堅調に始まっ たことに、それがうかがわれる。

共和党が上下両院の過半数を制したことはパワーバランスの変化を 意味するものの、「大きなシフトとは言えない」とヌビーン・アセッ ト・マネジメントの主任株式ストラテジスト、ボブ・ドール氏は指摘す る。

同氏は5日付けの顧客向けリポートで、「経済と市場という観点か らは、選挙結果は重要だが状況が様変わりするほどのものではない」と 分析。「確かに共和党にとっては法案を通過させて大統領に送りやすく なるだろうが、果たして大統領が署名するかどうかは不透明だ」と指摘 した。

この不透明感は当然ながら、もう一つの不透明感につながる。つま りオバマ大統領はどこまで共和党と闘う意思があるのかという問題 だ。2010年に共和党が下院を支配して以来ずっと、大統領はこの闘争を 強いられている。

「来年には危険な場面を目にするだろう」と予想するのは、ブラウ ン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の通貨戦略グローバル責任 者、マーク・チャンドラー氏らだ。顧客向けのリポートで、「債務上限 や歳出一律削減措置などを再び配置した財政劇がまた見られそうだ」と 述べた。

S&P500種19%急落

米政府はこの4年間に政府機関の一部閉鎖を一度、債務上限につい ては2度も達成すれすれに至った。いずれも民主・共和で分裂した議会 で、法案を通過させて大統領に署名させるというプロセスが機能しなか ったからだ。次の上院多数党の院内総務に目されるミッチ・マコネル議 員(共和、ケンタッキー州)はこれまで有権者に対し、財政面での危機 回避に常に貢献してきたと主張している。

しかし大きな危機が回避されたとしても、政治的反目が市場に災害 をもたらすことはあり得る。株式投資家はS&P500種株価指数が19% 以上も値下がりした時の事を忘れられない。格付け会社スタンダード・ アンド・プアーズ(S&P)が2011年8月、米国の政治的機能不全を理 由に米格付けを最上級の「AAA(トリプルA)」から引き下げたこと をきっかけに、株式相場は2009年の強気相場入り以来で最悪の下げとな った。

実際のところ、ビリニー・アソシエーツが6月に発表した調査結果 によれば、政治的反目こそ株式相場を急落させる最もありふれた原因の 一つだ。1982年以降の強気市場で起きた14回の調整相場で、米国の政治 が部分的にでも原因だった下落は4回あったという。

大統領の万年筆

ドール、チャンドラー両氏とも正しいということはあり得るだろう か。つまり中間選挙は「状況を様変わりさせない」ものの、だからこそ 来年の市場に「危険な場面」をもたらす可能性があるということだ。

あらゆる視線はオバマ大統領ただ一人に、法案に署名するための万 年筆を握るその手に注がれる。レームダック(死に体)に陥るかどうか はオバマ氏次第だ。

ウェルズ・ファーゴの上席株式ストラテジスト、ジーナ・マーティ ン・アダムズ氏は5日のブルームバーグテレビジョンとのインタビュー で、「国には3つの権力機関があり、それらがすべて協力しなくてはな らない」と指摘。「特に行政と立法の協力は大事だ。今後数年間に起き る激しいバトルに向けて舞台が整いつつあるように思う」と述べた。

その一方、選挙と並行して行われた住民投票で、ワシントンDCで は嗜好品としてのマリフアナ(大麻)使用が合法となった。これを契機 に民主、共和両党が緊張をほぐし、なごやかなムードで意気投合するよ うになれば、それこそ「状況様変わり」となろう。

原題:One Analyst Sees ‘Dangerous Scene’ for Markets After Elections(抜粋)

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