共和党支配は米銀に優しく、通信法改正の機運高める可能性

米議会の上下両院で共和党が過半数 を占めたことは銀行への法的締め付けの緩和をはじめ、複数の米産業に 有利に働くと期待されている。ただし医療保険制度改革(オバマケア) は、大統領拒否権があるために後退には至らない見通しだ。

石油パイプライン会社のトランスカナダが推進するキーストンXL パイプライン計画は、進展への道が開かれそうだ。AT&Tなどの通信 各社にとっては、インターネット普及前の法制度の改正が進むと期待さ れている。

こうした米企業の期待を現実のものにするには、上下両院の指導部 がオバマ大統領と交渉しなくてはならない。来年1月から、これらの役 割をすべて共和党が担う。

ブルッキングズ研究所(ワシントン)のシニアフェロー、ビル・ギ ャルストン氏は「立法が企業に及ぼす影響は、大統領との交渉における 上院の共和党指導部の意欲次第だ」と述べた。

共和党が議会の過半数を占めたからといって、同党が支持する法案 がすべて成立するわけではない。上院では民主党が法案成立へのプロセ スを遅らせられるだけの力を維持しており、オバマ大統領にはこれまで 2度使った大統領拒否権がある。

米議会(2015年1月6日開始)で取り上げられるトピックには、金 融と通信が含まれそうだ。

制裁金の可能性は低下も

金融では、共和党と銀行の反対を押し切って2010年に創設された消 費者金融保護局(CFPB)が標的になる可能性がある。リチャード・ シェルビー上院議員(共和、アラバマ州)が上院銀行委員長になるから だ。同議員はジェブ・ヘンサーリング下院金融委員長と連携し、議会の 制約を受けないCFPBの権力を制限しようとするだろうと、複数の業 界ロビイストが指摘した。

JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ(BOA)をは じめウォール街の金融大手にとって、08年に猛威を振るった金融危機に 関連した制裁金を科される可能性は低くなる。銀行調査を担う小委員会 を率いてきたカール・レビン上院議員(民主)が退任するためだ。後任 が誰になるかは不明。

一方、通信業界に目を向けると、インターネットの存在をほとんど 考慮していない通信法が20年ぶりに改正される機運も高まる可能性があ る。

20年ぶりの通信法改正か

ベライゾン・コミュニケーションズやAT&Tはこれまで、同法改 正に向けた議会の取り組みを歓迎してきた。下院通信小委員会を率いる グレッグ・ウォルデン議員(共和、オレゴン州)は同法改正を優先課題 と位置付けている。同議員が電子メールで発表したコメントによると、 小委員会は改正法案作りの作業に着手する用意ができている。

共和党が過半数を占めても、民主党には防衛の選択肢がある。アメ リカン大学(ワシントン)ジェームズ・サーバー教授はインタビュー で、「少数派は議事妨害で抵抗し、大統領は拒否権を行使するだろう」 と予想。「こう着と苦悩、不満が続くことになる」と述べ、「ジンをた くさん飲まないとやってられない」と語った。

原題:Nuclear Power, Banks to Gain as Republicans Take Congress (1)(抜粋)

--取材協力:Chris Strohm、Larry Liebert、Jim Snyder、Mark Drajem、Richard Rubin、Cheyenne Hopkins、Alex Wayne、Jesse Hamilton、Susan Decker.

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