トヨタ最高益予想、さらに拡大も-円安で増すレクサスの価値

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今期(2015年3月期)純利益予想を 2兆円に上方修正したトヨタ自動車。日本銀行による追加緩和で一段と 円安が進み、高価格で日本から大半を輸出する高級ブランド「レクサ ス」で新車攻勢をかける同社にいっそうの追い風が吹く可能性もある。

トヨタが5日開示した決算資料によると、今期の純利益予想は前期 比9.7%増で、同社として初の2兆円を目指す。従来予想は1兆7800億 円だった。ブルームバーグが集計したアナリスト26人の純利益予想の平 均2兆366億円には及ばなかったものの、過去最高益だった前期の1 兆8231億円を上回り、2年連続での最高益更新の見通し。

トヨタは今期為替前提を1ドル=104円とし、従来比3円の円安方 向に修正した。一方、日銀は10月31日に国債の買い入れを増やすなど追 加の金融緩和策を発表。これを受けて足元の相場は1ドル=114円前後 まで下落、トヨタが見直した為替前提を約10円上回っている。トヨタで は対ドルで1円の変動で営業利益が400億円増減する要因となる。

トヨタは消費増税後の国内販売不振などで、ダイハツ工業と日野自 動車を含むグループ世界販売を小売りベースで従来の1025万台から1010 万台の計画に見直した。それにもかかわらず利益予想を引き上げた要因 として、小平信因副社長は決算会見で、円安のほかに原価改善活動や価 格改定など販売面の努力があると説明。新たな為替前提は7-9月の水 準をもとに算出しているため、先週来の急激な円安の恩恵は今後受ける ことになる。

一方、トヨタはレクサスシリーズでコンパクトSUVの「NX」や クーペタイプの「RC」など新車を今年に入って相次いで投入してい る。レクサスに関しては大半を日本で生産して輸出。価格帯が高く輸出 の割合が大きいレクサスを持っていることで、円安の恩恵を受けやすい との指摘も出ている。

来年はさらに期待できる

みずほ投信投資顧問の青木隆シニアファンドマネジャーは「為替に よる業績の上振れ余地はあるだろう」と述べた。レクサスを持っている ことはトヨタにとって「ポジティブ」だとした上で、トヨタブランドも 含めた新車のモデルサイクルが良くなる来年はさらに期待できるだろう と話した。

トヨタは今年のレクサス世界販売で55万台を目指すとしていた。発 表資料によると、NX200t、NX300hの受注は7月29日の発売から9 月3日までで累計約9500台と、月販目標の約14倍となっていた。

トヨタの小西工己常務は、レクサスの販売価格は現地で決定するた め、円安になったからと言って急激に利益が変動するわけではないと話 した。

リコールを謝罪

一方、問題もある。通期の販売台数目標引き下げの主因となった国 内の低迷について、小平副社長は「国内市場が底を打ったか、そこまで 確信は持てない」と述べた。

また、タカタ製エアバッグの不具合問題については、トヨタも昨年 に続いて今年も100万台を超える規模のリコールを実施している。タカ タやトヨタなど自動車メーカー、米当局が調査を進めており、リコール の対象台数は今後拡大する可能性もある。

小平氏はリコール問題について、「エアバッグのリコールでお客様 に心配ご不便かけて申し訳なく思っている」と謝罪した上で、「早く迷 惑を解消して改善部品の手当てを速やかに行い、ディーラーに届けるの が先決」と不具合のあった部品の交換を最優先に取り組んでいることを 明らかにした。

タカタとの取引を今後も継続するかなどについては、「個別の会社 にかかわることであり、コメントは差し控えたい」と話した。

--取材協力:萩原ゆき、Ma Jie.

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