罰金500万円より出産奨励を-中国がたどるのは日本と同じ道か

中国の深圳に住むクリスタル・リさ んは2カ月前、第2子となる女の子を出産した。喜びでいっぱいのリさ ん夫婦だが、罰金26万7918元(約500万円)を支払うか、支払えなけれ ば刑務所に入れられる可能性もある。

中国が1979年に導入した「一人っ子政策」の緩和から1年ほどたつ が、リさんの出産は違法だ。リさんも夫も一人っ子ではないからだ。35 歳のリさんは「あまりにも不当。政府は子供を2人生んだことを罰する のではなく、むしろ私に感謝すべきだ」と話す。中国名を明らかにする のを避けたリさんは「私の赤ちゃんだが、国の将来をも背負っている」 と指摘する。

習近平政権が1年前に示した政策方針で、夫婦2人のどちらかが一 人っ子である場合には第2子をもうけることが認められるようになっ た。高齢化が進む中国の人口は13億6000万人。新規則の下で第2子を持 つことが法的に認められたのは1100万組の夫婦にすぎない。国家衛生計 画出産委員会によれば、今年8月末までに第2子の出産申請をしたのは そのうちのわずか69万組だ。

上海社会科学院の左学金研究員(人口問題担当)は「時代は変わっ た。若い夫婦はもはや2人の子供を持つことを望まないようになった。 中国は出産抑制から出産奨励に転換する必要がある」と述べる。

左研究員は中国が日本と同じような人口動態の道をたどり、その結 果として経済成長が鈍化するリスクが高まっていると指摘。現行の出産 規制は「時代遅れ」で2020年を待たずに出産を促す政策に取って代わら れる可能性があるとの見方を示す。

厳しい人口構成

中国政府の人口政策を批判した「大国空巣」を執筆した易富賢氏に よれば、人口の高齢化が進むことで中国の今から30年までの平均経済成 長率は4%を下回る水準に落ち込む見込み。

易氏は日本の労働人口が1990年代半ばにピークに達して以後、日本 経済は停滞しており、韓国と台湾でも人口動態の変化により成長が鈍化 していると説明。「人口だけで発展が確実になるわけではないが、十分 な労働力がなければ、発展を語ることはできない。中国のような労働集 約型の製造業が巨大な国にとっては、とりわけ厳しい人口構成となるだ ろう」と話す。

原題:Xi’s Baby Steps Proving Too Tame to Defuse Demographic Challenge(抜粋)

--取材協力:Xiaoqing Pi.

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