NY外為:ドルが対円で7年ぶり高値、米景気見通しが明るく

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ニューヨーク外国為替市場ではドル が対円で7年ぶりの水準に上昇。米金融当局が2006年以来で初めてとな る利上げの時期を探る中、米国の景気堅調を裏付ける指標が発表され、 ドル買いが膨らんだ。

円は主要31通貨の大半に対して下落。日本銀行の黒田東彦総裁はさ らなる緩和の手段について、長期国債の買い入れを含めて「限りがある とは思ってない」と述べた。主要10通貨に対するドルの動きを示すブル ームバーグ・ドル・スポット指数は2009年4月以来の高水準で終え た。10月の米民間部門の雇用者数が予想以上に増加したことが背景にあ る。中間選挙で上院の過半数を制した共和党のマコネル院内総務は、政 治的な行き詰まりは解消可能との見解を示した。ロシア・ルーブルは最 安値を更新した。

ウエストパック銀行の北半球通貨担当チーフストラテジスト、リチ ャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「労働市場の改善は ここ数カ月で顕著になっており、その流れは続いている。それはドルの 地合いを強めている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.9%上げて1ドル =114円64銭。一時は114円84銭と、2007年11月以来の高値を付けた。対 ユーロでは0.5%高の1ユーロ=1.2486ドル。円は対ユーロで0.4%安の 1ユーロ=143円14銭。

ドル指数は0.5%上昇の1091.26。年初からの上昇率は7.1% と、2008年以降で最大となっている。

ルーブル、フラン

対ドルでの下げはロシア・ルーブルが中心となった。同国中央銀行 は完全な変動相場制に一歩近づいた。ルーブルは対ドルで3.1%安の1 ドル=44.9500ルーブル。一時は3.2%下落した。

円はスイス・フランに対して約30年ぶりの安値。前日比0.5%安の 1フラン=118円92銭。一時は119円20銭と1983年1月以来の安値水準と なった。

日本銀行は10月31日の金融政策決定会合で、マネタリーベース目標 額を従来の「年間約60兆-70兆円」から約80兆円に相当するペースに引 き上げた。

三菱東京UFJ銀行の通貨ストラテジスト、リー・ハードマン氏 (ロンドン在勤)は「日銀が先週、金融緩和で再び先制的な行動に出た ことで、インフレ目標に対する信認が高まったのは明らかだ。それは円 にはマイナス材料とみなされている」と語った。

黒田総裁は5日の講演で、追加緩和に踏み切ったことについて「日 銀は量的・質的金融緩和の導入当初から2%の物価安定の目標の早期実 現に強くコミットしている」と発言。さらなる緩和の手段について、長 期国債の買い入れを含めて「限りがあるとは思ってない」と述べた。

米利上げ

米連邦公開市場委員会(FOMC)は先月、雇用市場の改善を理由 に資産購入プログラムの終了を決定。8年ぶりの利上げに近づいた。

給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが 発表した給与台帳に基づく集計調査によると、10月の米民間部門の雇用 者数は前月比23万人増加した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト 予想の中央値は22万人の増加だった。

ブルームバーグがまとめた調査によると、7日発表の10月の雇用統 計で非農業部門雇用者数は前月比23万5000人増と予想(中央値)されて いる。9月は24万8000人増と、予想の21万5000人増を上回った。

4日投開票の中間選挙の結果もドルの支援材料となった。マコネル 上院院内総務は5日、税法改正や貿易協定を推進することについて、オ バマ大統領と話し合ったことを明らかにした上で、「政府閉鎖や国家債 務のデフォルト(不履行)は起きない」と発言した。

原題:Dollar Rallies to 7-Year High as Economic Outlook Brightens(抜粋)

--取材協力:大塚美佳、Kevin Buckland、三浦和美、Vladimir Kuznetsov、Natasha Doff、Lukanyo Mnyanda、Andrea Wong.

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