日本株は5連騰、円安と原油安で業績期待-自動車、電力上げ

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東京株式相場は5日続伸。午後に入 り為替市場で円安傾向が強まり、企業業績の改善を期待する買いが次第 に優勢となった。自動車やゴム製品など輸出株の一角が上げ、国際原油 市況の続落で燃料費負担が軽減するとみられ、電力、空運株も高い。

TOPIXの終値は前日比3.11ポイント(0.2%)高の1371.76、日 経平均株価は74円85銭(0.4%)高の1万6937円32銭。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの角田成広シニアイン ベストメントマネジャーは、「為替が現在の水準で止まれば、日本株は 正当化されるが、1ドル=105円に戻るなら足元の上昇分は割高にな る」と指摘。日本銀行の追加金融緩和の中長期的な効果は現時点で図り にくいものの、「少なくとも短期の為替は円安方向。テクニカル的な過 熱感だけでは日本株を売りにくい」と話していた。

この日のドル・円相場は、午前は1ドル=113円40-80銭台で安定 推移。4日に投開票された米国の連邦議会選挙で、共和党が上院で少な くとも6議席を伸ばし、年明けの議会で過半数51議席を確保したことが 伝わった午後は、114円39銭と2007年12月以来の水準まで一段と円安が 進んだ。前日の東京株式市場の終値時点は113円39銭。

米議会のねじれ解消を好感

「評判の悪い現職大統領とは違う共和党の勝利で、上下両院のねじ ね状態が解消する。結果はサプライズではないが、政策面で米経済にポ ジティブ。米金利の正常化が早まる可能性がある」と、損保ジャパンの 角田氏は言う。追加緩和に踏み込んだ日本と米国の金利差拡大を通じた 円安進行への期待で、午後後半にかけ日本株にも買いが先行した。

また、4日のニューヨーク原油先物は、サウジアラビアが前日に米 国向け価格を引き下げたことが材料視され、2%安の1バレル=77.19 ドルと続落、3年ぶりの安値を付けた。市況安は鉱業など原油関連企業 にはマイナス要因となった半面、エネルギーコストの低下につながると 期待された業種は高くなった。

きょうの主要株価指数は反落して始まったが、売り圧力は限定的。 SMBC日興証券株式調査部の西広市部長は、昨年4月の日銀の異次元 緩和の際は日本株の押し上げ効果が長期にわたったとし、今回は「日銀 追加緩和とGPIF改革の評価、円安による企業業績の上振れ期待か ら、なお戻り相場が継続する可能性が高い」とみる。売買エネルギーも 増加傾向で、「売り物を消化するパワーが備わってきた」と話す。

短期過熱感も

もっとも、急激な株価上昇に対する懸念は上値の重しだ。「日経平 均の25日移動平均線からの上方乖離(かいり)やストキャスティクスな ど複数のテクニカル指標は過熱シグナルを示している」と西氏。東証1 部の時価総額、流動性上位30銘柄で構成されるTOPIXコア30指数は 5日ぶりに小反落となった。

楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは、 前回の異次元緩和の際には、円安による企業業績や賃金への効果などを 先取りして株価が上昇したが、結果は思ったほどではなかったと指摘。 「日本株は米国株に比べて割安感があるとは言い切れない水準まで上昇 した。今後は実際の緩和効果を見極めたい」としている。

東証1部33業種は空運、電気・ガス、水産・農林、パルプ・紙、繊 維、輸送用機器、ゴム製品、化学、保険、医薬品など23業種が上昇。不 動産、金属製品、鉱業、石油・石炭製品、情報・通信、証券・商品先物 取引、その他金融など10業種は安い。東証1部の売買高は34億5715万 株、売買代金は3兆5459億円。値上がり銘柄数は1069、値下がり は652。

売買代金上位では、福島第1原子力発電所4号機の廃炉に向けた作 業が順調と一部で報じられた東京電力が上げ、10月の国内ユニクロの売 上高が増えたファーストリテイリングも高い。富士重工業、キヤノン、 ホンダ、富士フイルムホールディングス、日本航空も上げた。通期営業 利益計画を下方修正したソフトバンクは下落。直近で上げが顕著だった アイフルやケネディクス、三菱地所も安い。

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