中銀で「全会一致」はまれに、未知なる世界で政策手探り

欧州中央銀行(ECB)が6月に利 下げを発表した約1時間後、ドラギ総裁は記者会見でお決まりの質問が 出ていないことに気付いた。

他の質問に答えた後で総裁は言った。「君たちはいつも記者会見で 最初に、決定は『全会一致でしたか』と聞くじゃないか。今日について は全会一致だった」。

ECBの政策委員会はそれまでに、非伝統的な政策措置の幾つかに 反対してきた経緯がある。だからこそドラギ総裁は、下限金利をマイナ スにするという6月の重大な決定は全会一致だったのだと、質問がなく ても言っておきたかったのだろう。総裁のほかに23人のメンバーが決定 に携わるECB政策委員会は主要中銀の中で最も意見が割れやすい。

しかし中銀の政策決定の際に意見が割れるのはECBの専売特許で はなくなっている。ここ数週間には日本銀行と米連邦公開市場委員会( FOMC)、イングランド銀行でも決定は全会一致でなかった。

今年の市場では中銀間の政策の乖離(かいり)が主要なテーマにな っているが、各中銀の中での意見の隔たりも広がっているようだ。ほぼ 全員が足並みをそろえて金融危機やリセッション(景気後退)と闘っ た2008年とは様変わりだ。

政策について意見が一致しない理由は恐らく、中銀が供給する大量 の流動性に対して経済がどう反応するかについての見解が異なるからだ ろう。UBSセキュリティーズ(ニューヨーク)の米国担当副チーフエ コノミスト、ドルー・マタス氏は「要するに、中央銀行当局者らは自分 たちが使っている政策手段の有効性について確信がない。見慣れている より未知なるものの方が多い環境で、手探りで政策を決定しているとい うことだ」と話した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE