エボラ熱と闘う医療体制に明暗-フランスとスペインの事情

クリストフ・ラップ氏は9月18日の 真夜中に、エボラ出血熱に感染した患者が同氏が勤務する病院に搬送さ れるとの知らせを電話で受けた。フランスで治療を受ける初の感染者だ った。

パリ近郊にあるベジャン軍病院の感染症・熱帯病担当責任者である ラップ氏は数時間以内にチームのメンバーを集めた。エボラ出血熱患者 の治療に関する訓練を受けたスタッフ75人のうち50人が呼び出され、病 院内の隔離区域で24時間態勢の治療に当たった。

「訓練を重ねていたので準備はできていた。一人一人が自分の役割 を分かっていた」。ラップ氏はインタビューでそう振り返った。

大掛かりで高額の治療は成功し、リベリアで感染した医療関係者の 患者は退院。同病院は今週、感染の可能性のあるスタッフの観察を終了 し、治療従事者には健康証明書が配布されることになっている。

一方、隣国スペインではフランスほど幸運な経過はたどらなかっ た。アフリカから帰国したキリスト教関係者2人の治療に当たっていた 准看護師が10月に感染。アフリカ以外で感染した初の患者となった。キ リスト教関係者は死亡。この准看護師は生き延びることができたもの の、スペイン政府による緊縮財政策が準備不足につながり、准看護師が 感染する事態となったとの見方もある。

スペイン政府は2012年、医療関連予算70億ユーロ(現在のレートで 約9900億円)の削減を発表した。バルセロナのIESE経営大学院で教 えるマグダ・ローゼンモーラー氏は「スペインでは予算配分を間違えた ようだ。医療制度の運営ではリスクを適切に考慮し、予算が削減される 場合には資金を最適に支出する優先順位が決定される必要がある」と指 摘した。

フランスの予算削減ペースはスペインほど大幅ではないため、エボ ラ出血熱対策が進んだ可能性がある。フランスはこの他、訓練を積んだ 医療スタッフを西アフリカに派遣している。

原題:Ebola Fight Sheltered in France From Budget Cuts That Hurt Spain(抜粋)

--取材協力:Mark Deen、Caroline Connan.

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