Jリート、金融緩和効果は限定的との見方-大幅続伸後に上げ縮小

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前週末の日本銀行の追加金融緩和を 受けて、週明けの東証REIT市場は朝方、大幅続伸したが、買いが続 かず、上昇幅が縮小した。市場では、過熱感から日本版不動産投資信託 (Jリート)の上値は限定的だとの見方が出ている。

Jリート46銘柄で構成する東証REIT指数は、午前中の取引で一 時5.3%高まで上昇し、2008年1月以来の高値となったが、終値は1.1% 高の1734.88ポイントにとどまった。Jリートの中で時価総額最大の日 本ビルファンド投資法人や同2位のジャパンリアルエステイト投資法人 も一時5%近く上昇したが、終値はマイナスとなった。

日銀は10月31日の金融決定会合で、長期国債の買い入れ増加に加え てJリートの買い入れ枠を従来の年約300億円から同約900億円へと3倍 に増やした。また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は同 日、基本ポートフォリオの見直しで不動産を含めたオルタナティブ投資 について、「資産全体の5%を上限」とした。

JPモルガン証券の穴井宏和アナリストはリポートで、日銀買い入 れ増のJリートへの影響について「アナウンスメント効果は大きく、し ばらく投資口価格が上昇する可能性がある」と分析している。

制約要因

もっとも、市場には、不動産市況の回復は初期段階にあり、リート 高騰を正当化できるほどではないとの見方がある。農中信託銀行シニア ファンドマネジャーの新海秀之氏は、「賃料の回復がまだ弱いなど一本 調子の上昇にはファンダメンタルズの裏付けが不足しているため、値上 がりは限定的となる可能性がある」と述べた。

三鬼商事によると、東京ビジネス地区の平均賃料は9月まで9カ月 連続で上昇。しかし、金額は坪当り1万6805円と、12年2月以来の水準 にとどまっており、リーマンショック直前の08年8月に記録した直近高 値(2万2901円)を約27%下回っている。

みずほ証券の石沢卓志上級研究員は、一段の金融緩和で不動産価格 がさらに上昇すると、「Jリートは物件の購入が難しくなり、運用資産 を拡大できなくなる」と述べ、緩和はかえって成長の制約要因になると 指摘。日銀のリート買い入れ増で、指数は年内に1900ポイント程度まで 上昇する場面があると予想するが、「年明け以降、4-6月ごろに は1600ポイント程度で推移する可能性がある」とみている。

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