米国債:上昇、30年債が高い-原油下落でインフレ抑制を予想

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米国債市場では30年債が上昇。利回 りは約3週間で最大の下げとなった。原油価格の下落で、米経済が力強 さを増す中でインフレは落ち着いた状態が続くとの見方が強まった。

30年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差の年初 来の縮小幅は過去3年で最大となっている。ニューヨーク原油先物市場 ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が3年ぶり 安値に下落。サウジアラビアによる販売価格の変更に反応した。セント ルイス連銀のブラード総裁は原油の値下がりは米経済にとって強材料だ と発言。この発言後、米国債は伸び悩んだ。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「米 国債市場は原油の値下がりに注目している」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の3.05%。一時5bp低下と、10月16日以来の大幅な 下げとなった。同年債(表面利率3.125%、2044年8月償還)価格 は10/32上げて101 1/2。

10年債利回りは1bp低下の2.33%。一時は4bp下げた。

ブラード総裁

ブラード総裁はこの日、米経済の見通しに楽観的だと述べた。また 欧州や中国の成長減速は米国の景気回復に影響しておらず、新たな債券 購入を検討する必要はないとの認識を示した。総裁はフォックス・ビジ ネス・ネットワークのインタビューで語った。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「ブラード総裁の発言はかなり前向きだっ た」とし、「1週間半前には、総裁はインフレ期待の低下に歯止めをか けるため量的緩和を継続すべきだと述べていた。だがきょうになって、 量的緩和の終了は正しい決定だったとの認識を示した」と述べた。

この日は米中間選挙があり、6日には欧州中央銀行(ECB)の政 策決定会合、7日には10月の米雇用統計の発表が控えている。これらの リスク要因を前に一部で米国債の保有を減らす動きが広がった。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの金利・信用取引責任者、 トーマス・ディガロマ氏はこうしたイベントを控えて、「市場参加者ら はリスクを減らそうとしている」と分析した。

この日は朝方発表された米貿易赤字を受けて米国債利回りは下げを 拡大する場面があった。米商務省が発表した9月の貿易収支統計による と、財とサービスを合わせた貿易赤字(国際収支ベース、季節調整済 み)は前月比7.6%拡大し、430億ドルとなった。これは5月以来の高水 準。前月は400億ドル(速報値401億ドル)に修正された。

原油相場

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は前日 比1.59ドル(2.02%)安の1バレル=77.19ドルで終了。一時75.84ドル と、2011年10月以来の安値を付けた。

経済指標によれば、経済が成長する中でインフレ指標は低い状況が 続いている。商務省が10月30日発表した7-9月(第3四半期)実質国 内総生産(GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比3.5%増加。

米連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ目標の基準としてい る個人消費支出(PCE)総合価格指数は、2年以上にわたり2%を下 回っている。

トレーダーのインフレ見通しの指標となる30年債と同年限TIPS の利回り格差(ブレークイーブンレート)は2.08ポイント。年初来で は28bp縮小しており、この縮小幅は11年以降で最大。

原題:Treasury 30-Year Bonds Gain as Oil Slump Cuts Inflation Outlook(抜粋)

--取材協力:Susanne Walker.

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