日本株はジェットコースター、RSI信号連発-16年ぶり記録

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日本株のテクニカル指標で「買われ 過ぎ」、「売られ過ぎ」のサインが目まぐるしく点灯している。9月下 旬以降、相場が急落や急騰を繰り返した結果で、16年ぶりの記録更新と なった。

相場の振幅から株価の買われ過ぎ・売られ過ぎを示す指標である TOPIXのRSI(14日ベース)は、日本銀行の異次元緩和第2弾と 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用方針変更を受けた 4日の取引で買われ過ぎとされる70%を上回った。10月17日に は22.93%まで低下し、売られ過ぎとされる30%以下にあった半面、9 月25日には73.28%の買われ過ぎ状態にあった。

今回は、RSIが「買われ過ぎ」から「売られ過ぎ」、さらに「買 われ過ぎ」という3度の基調変化を27日間で繰り返した。1949年以降、 3度の基調転換の最短は1998年8月の42日間だった。当時は、旧日本長 期信用銀行の経営不安が銀行株や日本株全体に影響を与えていた局面。 今回の日銀とGPIFの施策は、これを上回るインパクトを及ぼした。

パインブリッジ・インベストメンツの前野達志運用本部長は、「ボ ラティリティが大きいときはパニックに陥らないことが大切。自らの中 期的に描いているシナリオをボラティリティで惑わされないように心掛 けている」と言う。

日本株を強気にみている前野氏は、今回の下落局面では「底を確認 したと強い信念を持ったときに買いを入れた」一方、バランスファンド での資産ウエート上昇によるリスク管理目的と株価の短期的な行き過ぎ から、前週末の10月31日から4日にかけては短期的に売りスタンスで臨 んだとしている。

動きの中心は短期投資家か

4日にRSIが70%を超えた要因は、10月31日に日銀が追加金融緩 和を決定、GPIFが運用比率の変更方針を発表するという材料が重な り、2営業日でTOPIXが90ポイント近く急騰したためだ。

ルクセンブルク国際銀行のファンドマネジャー、ハンス・ゴッティ 氏(シンガポール在勤)は「日本株に比較的強気なサインが出た。これ だけ上がったら調整するのは当たり前だが、なおアップサイドがあると 考えている」と指摘。日本の景気が良くなくとも、「年金改革、企業の 自社株買いや日銀の刺激策がマーケットを押し上げる」とみる。

スイスのLGTキャピタル・パートナーズや大和住銀投信投資顧問 などの機関投資家は、強気のスタンスを背景にこうした相場の振れを無 視しているという。野村証券の松浦寿雄シニアストラテジストは、日銀 の政策変更が「予想されているより大きかったため、動き切れていない 人が多い。短期の投資家の方が動きとしてはメイン」との認識だ。

パインブリッジの前野氏は、短期間に日本株が局面転換を繰り返し た背景として、「米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和が終わ り、来年の利上げを考えた流れが始まったことがマーケットをボラタイ ルにしている。何が起こるか分からないと投資家は迷っている」と分析 している。

5日の日本株は、TOPIXが前日比0.4%安で取引を開始。一時 はプラス圏に浮上する場面もあったが、その後は再び売り圧力に押され る展開となった。

--取材協力:Jonathan Burgos.

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