債券は上昇、日銀緩和受けた買いオペ増額で-利回りフラット化が進展

債券相場は上昇。日本銀行が追加金 融緩和決定に伴い、国債買い入れオペを増額したことが買い手掛かりと なった。超長期債を中心に金利が大幅低下し、利回り曲線のフラット (平たん)化が進展した。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は、前営業日の10月31日終値 に比べて23銭高の146円76銭で開始し、直後に146円78銭と日中取引ベー スの最高値に並んだ。株高を受けていったんは8銭高まで上げ幅を縮め たが、午前10時10分の日銀オペ通知後には146円76銭まで上昇。午後 は146円台後半でもみ合いとなり、終値は17銭高の146円70銭だった。

クレディ・スイス証券の宮坂知宏債券調査部長は、株高・円安が大 幅に進む中でも金利が低下しているのは、10月31日のサプライズ緩和の 響がまだ残存しているからだと指摘。「日銀が国債購入額を増やして平 均残存期間も延ばしたことで超長期ゾーンにより強く買い圧力が掛かっ ている」と話した。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の335回債利回りは同1ベーシスポイント(bp)低下の0.445%で 開始。その後0.435%と前週末に付けた2013年4月5日以来の低水準に 並んだ。午後は0.435-0.44%で推移した。

20年物の150回債利回りは一時1.17%と昨年4月8日以来の水準ま で下げた後、1.19%。30年物の44回債利回りは1.39%と昨年4月9日以 来の低水準を付け、午後2時すぎからは1.44%。同債利回りは10月30日 の引け1.65%から、その後の2営業日で20bpを超す低下となった。

メリルリンチ日本証券の大﨑秀一債券ストラテジストは、「株高や ドル高・円安の進展は逆風でも現物需給の逼迫(ひっぱく)が債券市場 でフォーカスされる」と話した。超長期ゾーンが買われて利回り曲線は ブルフラット化。一定のキャリー(金利収入)が得られる20年債に需要 が集まり、利回りはいずれ1.0%目指す展開」との見方を示した。

日銀がきょう実施した長期国債買い入れオペ(総額1兆4600億円) の結果によると、残存期間1年超3年以下の応札倍率は前回より若干上 昇した。一方、3年超5年以下、10年超25年以下、25年超は低下した。

今回の国債買い入れは、日銀が前週末に追加緩和を決めた後で最初 オペ。残存期間1年超3年以下の買い入れ額は5500億円、3年超5年超 は5500億円、10年超25年以下は2400億円、25年超は1200億円と、いずれ も前回の3500億円、3000億円、1100億円、350億円から増額となった。

きょうの東京株式相場は大幅続伸。TOPIXは前営業日に比べ て2.6%高の1368.65で終了した。外国為替市場で円は1ドル=113円台 半ばで推移。一時は114円台と2007年12月以来の水準まで下落した。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、円安進行が思った以上 に速く、あすの10年債入札の消化も気にかかると指摘。ただ、「日本国 債は追加緩和によって日銀が新規発行の9割近くを購入してしまうこと の需給的なインパクトを相場に反映させる過程にあるため、しばらくの 間、海外市場の流れとは連動性が落ちる可能性が高い。複数回の入札と 日銀オペを通じてようやくその効果は織り込まれ、その後に相場はファ ンダメンタルズや海外との連動性で動きやすくなる」とみる。

財務省は5日、10年利付国債入札を実施する。335回債と銘柄統合 するリオープン発行となり、表面利率(クーポン)は0.5%に据え置か れる見込み。発行額は2兆4000億円程度。

--取材協力:赤間信行.

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