日銀サプライズ、焦点は再び第3の矢-政権の課題浮き彫りとも

日本銀行による予想外の緩和策拡大 で、スポットライトは再び安倍晋三首相が進める経済政策と消費税率追 加引き上げの是非の判断に当てられることとなった。

約1年10カ月前に第2次安倍政権が誕生して以降、企業利益は伸 び、円相場は下落、株式相場は57%上昇したが、持続的な景気拡大はい まだに心もとない。消費者物価指数(CPI)上昇率は日銀目標の半分 程度にすぎず、消費税率引き上げを受けた4-6月期の国内総生産( GDP)は約5年ぶりの大幅な落ち込みに見舞われた。

安倍首相は長期的な成長促進のため、コーポレートガバナンス(企 業統治)強化や農業の規制緩和、女性の労働参加拡大、貿易協定妥結に 向けた取り組みを加速するよう求められている。首相はまた、法人税率 をどの程度引き下げるかを検討する一方で、消費税率の追加引き上げを 日本経済が乗り切れるかどうかの決断をしなければならない。

JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、日銀が時間を 稼いでいる間に政府は成長戦略と財政健全化を促進するべきだと指摘。 政府が円安と株高の恩恵を享受しているだけで現状に甘んじていれば、 時間を浪費し、ひどい結果が待ち受けているとの認識を示した。

安倍首相が進める、構造改革と規制緩和に重点を置いた「第3の 矢」は、官僚の対応の鈍さや貿易障壁維持を望む農家などの反対に遭っ ている。

格付け会社フィッチ・レーティングスのアジア太平洋ソブリン部門 責任者、アンドルー・カフーン氏はリポートで、「日銀による政策緩和 は、財政赤字を減らしながら実質成長と物価を持続的に高めることを目 指すという、安倍政権が直面する課題の大きさを裏付けるものだ」と指 摘した。

原題:BOJ’s Surprise Turns Focus Back to Abe’s Third Arrow: Economy(抜粋)

--取材協力:Shamim Adam、Christopher Anstey、Chikako Mogi.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE